日中友好協会が異例の中国批判

「アジアカップ・サッカー競技に寄せて」と題する遺憾の見解を発表

 日中友好協会(平山郁夫会長)は去る8月11日、日中友好会館(後藤田正晴名誉
会長、林義郎会長)と共同で、サッカーのアジア・カップで中国人観客が日本国
歌の折に激しいブーイングをしたことなどに対して、「アジアカップ・サッカー
競技に寄せて」と題する遺憾の見解を発表しました。
 日中友好協会はこれまで、李登輝前総統の来日を「断じて容認できない」とす
る見解を発表(平成13年4月)し、また小泉総理の靖国神社参拝に抗議する村岡久
平理事長の談話(同16年1月)を発表してきていますので、この遺憾見解を報道し
た共同通信は「同協会が中国側を批判する見解を出すのは極めて異例」と伝え、
本日付の朝日新聞も「中国との友好団体である同協会が中国側の言動を批判する
見解を出すのは異例だ」と、驚いたように報道しています。
 確かに、日本よりも中国が大事という印象が拭いきれない日中友好協会と日中
友好会館がこのような見解を発表するとは夢想だにできませんでした。後藤田正
晴氏が会長時代の日中友好会館は、外務省出身の野田英二郎という副会長が教科
書検定審議委員のときの平成12年10月、扶桑社版『新しい歴史教科書』の検定不
合格工作をしていたことが発覚して指弾されたことに象徴されるように、中国べ
ったりの姿勢でした。
 それ故に「極めて異例」なのですが、その全文は下記の日中友好協会ホームペ
ージからご覧ください。ご参考までに共同通信の記事を転載します。また、李登
輝前総統が来日された平成13年4月21日のその日に発表した、来日を容認できない
とする「李登輝訪日問題についての見解」の全文も併せてご紹介します。
 http://www.j-cfa.com/m-voice.html#ldh
                               (編集部)


「国歌への礼欠き遺憾」日中友好協会が異例の批判
 共同通信 8月12日

 日中友好協会(平山郁夫会長)は12日、中国で開催されたサッカー、アジア・
カップの日本の試合で中国人観客が激しいブーイングをしたことについて「日本
国歌に対する多くの中国人の礼を欠いた言動は極めて遺憾」とする見解を発表
した。同協会が中国側を批判する見解を出すのは極めて異例。
 見解では、中国人観客のやじなどは「スポーツ競技がもたらした一時的興奮と
して片付けられない」と指摘し、2008年の北京夏季五輪への影響を懸念。「中国
側関係機関が適切な措置を取り、事態が改善されることを強く望む」と、再発防
止を要望した。
 見解は、同協会と日中友好会館が共同で発表、在日中国大使館や中日友好協会
へ送った。


社団法人日中友好協会「李登輝訪日問題についての見解」

 わが国政府は20日、台湾の李登輝前総統に査証を発給した。これは日中関係の
発展を損なう行為であり、断じて容認できない。今回、政府が「人道的な配慮」
を理由に入国を認めたことは、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であ
ることを十分理解し尊重すると表明した『日中共同声明』の立場を逸脱するもの
であり、政府に対し厳重なる抗議を表明する。
 李登輝氏は現職の時代から、台湾と中国は特殊な国と国の関係であるとする「
二国論」を唱え、台湾を「国家」として国際的に認知させる「外交活動」の先頭
に立って、公然と「二つの中国」を推進してきた指導的人物である。
 日中関係が厳しい状況にある現在、今回の措置によって両国の善隣友好関係が
さらに一段と困難な状況に陥ることを深く懸念する。『日中共同宣言』で謳わ
れた、平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築をめざすわれわれに
とって、これを阻害するような新たな問題が今また生じたことは憂慮に堪えず、
誠に遺憾である。
 われわれは、日中関係の健全かつ安定した発展を促進するために、民間の立場
からひきつづき努力するものである。
                             2001年4月21日



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