今回の中国で行われたアジアカップでは中国の「民度」がよく現れていた、と
評する声が少なくありません。確かに「民度」なのでしょうが、中国近現代史研
究家の鳥居民氏が『「反日」で生きのびる中国』(草思社)で指摘するように
、1994年(平成6年)に中国が「愛国主義教育実施綱要」を発表して以降の反日教
育にその淵源は求められるようです。鳥居氏によれば、江沢民はこの綱要で日本
に対する憎悪を子供から大人まで教え込む大キャンペーンを展開したことが現在
の反日の原点だと指摘しています。
詳しくは同書を読んでいただきたいが、現在の中国人にとってはスポーツも政
治も、すべてこの「綱要」からすれば反日行動の一環でしかありません。それ
故に、ロイターが報道したように、メディアガイドの地図で、大会開催国の中国
が黄色で表記され、台湾が他の国・地域と同じ灰色になっていたことを中国のマ
スコミは問題にもするようです。それをジーコ監督に質問するというのは中国ら
しいのですが……。
オリンピックが始まっていますのでいささか古いネタになってしまいましたが
、台湾に関する情報ですので、ここにご紹介いたします。
なお、民主党の前原議員は本会設立のときの発起人のひとりです。(編集部)
スポーツマンシップに欠ける=アジア杯サッカー−台湾総統
【台北9日時事】台湾の陳水扁総統は9日、前原誠司衆院議員ら民主党国会議員団
の訪問を受け、中国で開催されたサッカーのアジアカップで日本が優勝したこと
に祝意を述べるとともに、試合後の中国人ファンによる反日騒ぎなどを「スポー
ツマンシップに欠ける」と批判した。また、2008年北京五輪の運営能力にも疑問
を呈した。 (時事通信 8月10日)
サッカー=ジーコ監督、台湾問題関連の質問に困惑
[済南(中国) 2日 ロイター] サッカーのアジアカップに出場している日本
代表のジーコ監督が2日、記者会見で台湾問題に関連する質問を受ける一幕があ
った。
ジーコ監督は、準決勝のバーレーン戦が3日に行われる当地で中国人記者から、
日本のメディアガイドの地図で中国と台湾が異なる色で表記されている理由につ
いて説明を求められた。
しかし、記者会見に同席していた日本サッカー協会(JFA)の関係者が、「
サッカーに無関係の質問なので、今はこれ以上コメントできない」として、質問
を退けた。
地図では大会開催国の中国が黄色で表記されている一方、台湾は他の国・地域
と同じ灰色になっている。
中国で開催されている今回のアジアカップで、日本代表は様々な試練を受けて
いる。試合中は常に、反日感情の強い地元観客からのブーイングの嵐に見舞われ
、日本人ファンにはペットボトルが投げつけられる事件も起きている。 (ロイター 8月3日)