新連載【三田裕次の一口コメント 1】ジョージ・H・カー『裏切られた台湾』

今日から、台湾史研究家・三田裕次(みた・ゆうじ)氏が台湾関係書籍を紹介する【三
田裕次の一口コメント】を始めます。
 これまで、三田氏から台湾関係書籍に関してのコメントを何度となく見せていただき、
そのたびに切り口の鮮やかさと、核心をつく簡潔な表現力に驚かされました。まさに「具
眼の士」ここにあり、という思いでした。
 そこで、ぜひメルマガ「日台共栄」の読者のためにも紹介させていただきたいとお願い
したところ「1.政治色の強いもの、専門性の高いもの、娯楽系などは原則として除外。
2.本の特色や読むときの『注意事項』などに重点をおく」という条件付でご快諾いただ
きました。
 ちなみに、三田氏は1993年(平成5年)より日本で出版された台湾関係書籍のほぼ全てを
台北の呉三連台湾史料基金会に納本されています。驚くなかれ、納本される本はジャンル
を問わず、そのすべてに目を通し、その上、簡単なコメントを付けて送られているのです
。そのような営みを13年も続けてこられたのが三田裕次氏です。
 納本リストなどにつきましては、本会ホームページにもリンクしていますのでご参照く
ださい。

■呉三連台湾史料基金会宛納本リスト
 http://taj.taiwan.ne.jp/koe/mita.htm

 さて、記念すべき【三田裕次の一口コメント】第1回の書籍は今年の6月に刊行されたA5
判596ページの大冊、ジョージ・H・カー著『裏切られた台湾』です。
                     (メルマガ「日台共栄」編集長 柚原正敬)


ジョージ・H・カー著『裏切られた台湾』

 戦後初期の台湾にかなりの興味のある人には必読の書。日本では「戦後初期の台湾」に
関してこれだけ詳しい本は出ていない。著者の経歴等からして、信憑性はかなり高いと了
解して良い。但し、台湾に対する「思い入れ、愛情、愛着」が極めて深かった人なので、
その点は留意すること。翻訳はかなりこなれており、読み易い。若干のミス(組織名称の
間違いなど)はあるが、いずれも致命傷ではない。

http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31733147

■ジョージ・H・カー
■翻訳/蕭成美 監修/川平朝清
■同時代社
■4,200円(税込)



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