平野久美子(ひらの・くみこ)さんといえば、『トオサンの桜─台湾日本語世代からの遺言』『台湾に水の奇跡を呼んだ男 鳥居信平』『牡丹社事件 マブイの行方 日本と台湾、それぞれの和解』など、本誌読者には台湾をテーマとした作品でお馴染みのノンフィクション作家。
台湾を取材して30年にも及ぶ。
台湾に魅了されてきた平野さんが以前から気になっていたのは、台湾で日常的に使われる暮らしの道具やセンスを感じる雑貨、民族色の豊かな工芸品だったそうで、台湾原住民による竹や藤、バナナなどの自然の素材や繊維で編む技法や染色した織物、ヒノキの桶や蒸籠、イグサで編んだモダンなマットやバッグなど、いわゆる「クラフト」だった。
ツアーや観光で訪れることはほとんどない、台湾のオリジナリティーあふれる「Made in TAIWAN」のクラフトを創り出す工房やショップ、クリエイターを台湾各地に訪ね、受け継がれてきたモノ作りを通して、台湾の奥深さや新たな魅力を紹介したのが本書だ。
キーワードは「Made in TAIWAN」。
台湾へのアプローチに新地平を開いた意欲作。
書 名:台湾クラフトへの旅
著 者:平野久美子
判 型:B5判変形
頁 数:160ページ
定 価:3300円(税込)
発 行:小学館
発 売:2025年1月29日
序 章:101歳の人間国宝と気鋭のZ世代によるタッグ
第1章:黒潮が運んだ智恵を現代へつなぐ
第2章:台湾100年のモノ語り
第3章:台湾が育てた、“開拓時代の技術”の今
第4章:「Made in Taiwan」のさらなる挑戦
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※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。