大幅に増えて20,829人(140校)となり、逆に、これまでトップクラスだった中国へは1,626人(18
校)、韓国へも12,037人(112校)と激減している。
一方、台湾から日本への教育旅行(修学旅行)も大幅に増えている。平成23年度に韓国を抜いて
トップに立ち、平成25年度は11,382人(310校)となって韓国の5,567人(193校)を大きく引き離
している。
このような状況に目をつけたのが千葉県や宮城県だ。
千葉県の森田健作(もりた・けんさく)知事は千葉県と台湾の交流のキーポイントとして次世代
交流を挙げ、昨年10月24日から30日まで、トップセールスのため経済界や観光業界、農業団体など
100人を同道して訪台したときも、修学旅行がその秘策と言われた。
宮城県の村井嘉浩(むらい・よしひろ)知事も、この5月13日から16日まで訪台したとき、県下
の学校や企業による台湾への修学旅行や研修旅行を実施したいと表明している。
その宮城県が「今秋から台湾からの修学旅行客の誘致を強化する」と、日本経済新聞が伝えてい
る。
記事では「仙台市が交流促進協定を締結している台南市を軸に修学旅行向けのプログラムや体験
型の宿泊施設をPR」し、また「仙台市が2006年、台南市と協定を締結し交流を深めてきたことな
どを踏まえ、県は10月、台南市の高校3校(計40人)を台湾からの教育旅行として初めて受け入れ
る。来年1月には1校(80人)の誘致も決定した」と伝える。
ちなみに、2006年1月20日に台南市と交流促進都市協定を結んだのは、当時の仙台市長だった梅
原克彦(うめはら・かつひこ)氏。現在、国際教養大学教授で本会の常務理事。七夕を通じた市民
交流の高まりを契機としたもので、観光、経済、産業、福祉、文化、スポーツの6つの分野におい
て、両地域の市民、産業界、学界等の交流推進を促進するという内容だ。
この都市提携を軸に、隣接県とも連携し、村井知事は台湾への修学旅行や台湾からの教育旅行を
強化することで、観光などの活性化を図るようだ。梅原市長の先見の明があったればこその修学旅
行交流と言うべきだろう。
◆韓国と中国は激減 台湾への修学旅行が三位に大躍進【機関誌「日台共栄」5月号】
http://www.ritouki.jp/index.php/magazine/magazine037/
宮城県、台湾の修学旅行誘致 秋から4校
【日本経済新聞:2015年6月2日】
宮城県は今秋から台湾からの修学旅行客の誘致を強化する。日本と同様に地震の多い台湾では防
災への関心が高く、東日本大震災の被災地を巡るツアーなどを提案する。同県では震災以降、海外
からの観光客数が回復途上にある。仙台市が交流促進協定を締結している台南市を軸に修学旅行向
けのプログラムや体験型の宿泊施設をPRする。
県観光課によると被災地を回るツアーは仙台空港か成田空港経由で宮城県に入り、仙台市や南三
陸町などを回るコースが検討されているという。南三陸町では現地で被災した台湾出身者がガイド
を務め、震災当時の話をしながら防災対策庁舎などを案内する。漁業体験や民宿での宿泊なども検
討されている。
仙台市が2006年、台南市と協定を締結し交流を深めてきたことなどを踏まえ、県は10月、台南市
の高校3校(計40人)を台湾からの教育旅行として初めて受け入れる。来年1月には1校(80人)の
誘致も決定した。
県はさらに、台南市台日友好交流協会を通じて台南市の学校に観光情報を提供するほか、修学旅
行のプログラム作成なども支援する。10月ごろに仙台市、岩手県、山形県と連携し、台南市内の高
校5、6校の校長を各県に招き、修学旅行に採用してもらうための下見ツアーも実施する予定だ。
昨年11月、宮城県観光連盟と台南市台日友好交流協会がお互いの修学旅行推進で連携する覚書を
締結。5月には村井嘉浩知事が台南市を訪れ、同市の市長と改めて交流拡大を確認した。県は台南
市を弾みに、将来は台湾の各都市からの修学旅行誘致に広げる考えだ。