学旅行へ参加した岡山学芸館高等学校の生徒たちが昨日と本日の朝7時30分から高校最寄りの西大
寺駅前で街頭募金活動にいそしんでいる。本当に頭の下がる思いだ。
この岡山学芸館高等学校など、日本から海外修学旅行先として台湾を、一方、台湾から日本を訪
問する高校生が増え続けている。
4月14日発行の「台湾週報」(台北駐日経済文化代表処広報誌)によれば、2016年度に日本を教
育旅行など訪問した台湾の高校数は260校、人数は9,873人で、同年度に台湾を修学旅行などで訪問
した日本の高校数は322校、人数は3万6,192人、合計582校、4万6,065人が相互訪問したと報じている。
この報道では海外修学旅行先の他国への学校数や訪問者数が出ていないので、他国との比較がで
きないため、この数字がなにを意味しているか分かりにくい。実は、双方とも海外修学旅行(教育
旅行)先としてはトップの可能性が高い。
本誌ですでに紹介しているように、全国修学旅行研究協会が今年1月17日に公表した「平成27年
度全国公私立高等学校海外(国内)修学旅行・海外研修実施状況調査報告」によると、日本から海
外の修学旅行先として、2014年度は2位だった台湾がアメリカを抜いてトップとなっている。2015
年度の上位3ヵ国・地域は下記のようになっている。
1位:台湾(3万6,356人、224校) *2014年度:2位(2万8,314人、182校)
2位:アメリカ(3万6,170人、249校) *2014年度:1位(3万5,168人、260校)
3位:シンガポール(2万792人、147校)*2014年度:4位(1万8,957人、143校)
文部科学省が昭和61年(1986年)から2年に1回の割合で公表している「高等学校等における国際
交流等の状況について」の平成27年度(2015年度)の発表は例年よりかなり遅れていて、年度が変
わった現在も発表されていない。そこで、いささか古くて恐縮だが2013年度に海外から日本への教
育旅行を行っている国別調査結果を紹介したい。この年、台湾が2011年度に続いて韓国を押さえて
1位となっている。
1位:台湾(1万1,382人、310校) *2011年度:1位(3,494人、101校)
2位:韓国(5,567人、193校) *2011年度:2位(3,475人、138校)
3位:アメリカ(2,922人、223校)*2011年度:4位(1,314人、111校)
ちなみに、2011年度の3位は中国で、3,439人(140校)だった。中国は2013年度には5位に落ちて
1,147人(64校)となっている。
以上のように、2016年度は日本から台湾が3万6,192人(322校)、台湾から日本が9,873人(260
校)ということは、双方ともトップの可能性がとても高いのだ。間もなく文部科学省の調査結果が
発表されるだろうから、正確にはその調査結果を待ちたい。
それにしても、「台湾週報」が伝えているように、14年前の2003年度は日本から台湾が577人(9
校)、台湾から日本が312人(9校)だったことと比べると、日本は約68倍、台湾が約32倍となって
いる。隔世の感を覚えるとともに、修学旅行(教育旅行)にも現在の日台間の緊密性が如実に現れ
ていることを実感するのは編集子だけではないだろう。
台日の高校生、2016年に約4万6000人が国際教育旅行で相互訪問
【台湾週報:2017年4月14日】
2016年度に日本を訪問した台湾の高校数は260校、人数は9,873人で、前年比3校、482人増だっ
た。一方、同年度に台湾を訪問した日本の高校数は322校、人数は3万6,192人で、前年比68校、1万
1,980人増だった。同年度においては台日間で合計582校、4万6,065人が相互訪問した。
2003年度から実施した国際教育旅行で、日本を訪問した台湾の高校数は9校、人数は312人で、そ
の後は2011年の東日本大震災の年を除くと、毎年増加した。台湾を訪問した日本の高校数も2003年
度は9校、人数は577人だったが、2012年には学校数が3ケタとなり、人数も1万人の大台を超え、着
実な成長を示した。
これを地域別で見ると、2016年度に訪日国際教育旅行を実施した台湾の高校の市県別トップ5
は、台北市、台中市、新北市、台南市、高雄市だった。同年度に訪台国際教育旅行を実施した日本
の高校の都道府県別トップ5は、東京都、大阪府、広島県、静岡県、長野県だった。
台日の高校の国際教育旅行は主に、学校訪問、授業体験、クラブ活動、球技などの試合、パ
フォーマンス、ホームステイといった交流・体験活動が盛り込まれている。