国際金融機関の「中米経済統合銀行」(CABEI:Central American Bank for Economic Integration)は1960年、中央アメリカ5ヵ国(エルサルバドル、ニカラグア、ホンジュラス、コスタリカ、グアテマラ)が地域の均衡の取れた開発と経済統合を目指して設立された国際開発銀行で、1963年に開業したそうです。
現在、メキシコ、キューバ、アルゼンチン、コロンビア、スペインなど15カ国・地域が加盟しており、アジアからは台湾が1992年に加盟し、韓国も2020年に加盟しています。本部はホンジュラスの首都テグシガルパ に置かれています。
4月23日、中米経済統合銀行のダンテ・モッシ頭取と台湾財政部の蘇建栄・部長が台湾に事務所を開設に関する協定に調印しました。調印式はオンライン形式で行われたそうです。
台湾国際放送は「財政部によりますと、中米経済統合銀行がアジアに事務所を開設するのは、台湾が初めて」と報じ、ロイター通信は「国際政府機関の台湾への事務所設置は初めて」と伝え、中央通信社も同じく「国際政府機関が台湾に事務所を置くのは初めて」「CABEIが中米以外の地域に事務所を設置するのは初めて」と報じ、初めてづくしの台湾事務所設置のようです。
中国の圧力により、国連(UN)をはじめ世界保険機関(WHO)や国際民間航空機関(ICAO)、国際刑事警察機構(ICPO)などに加盟できない台湾にとって、国際政府機関の事務所が設置されることは台湾の国際的地位を上げ、認知度を向上させる願ってもないことかと思います。台湾中央銀行は「外国投資の獲得に寄与」するとも指摘しているそうです。
—————————————————————————————–中米経済統合銀行、台湾事務所設置へ 呉外相「より堅実な関係築く」【中央通信社:2021年4月23日】https://japan.cna.com.tw/news/apol/202104230009.aspx
(台北中央社)外交部(外務省)は23日、台湾は中米経済統合銀行(CABEI)と台湾事務所の開設に関する協定を結んだと発表した。国際政府機関が台湾に事務所を置くのは初めて。呉?燮(ごしょうしょう)外交部長(外相)は調印式のあいさつで、CABEIや中米の国交樹立国とより堅実な協力関係を築いていくことに期待を寄せた。
調印式はリモート形式で行われ、蘇建栄財政部長(財務相)とCABEIのダンテ・モッシ頭取が協定書に調印した。
CABEIは中米5カ国(グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ)によって1960年に設立された国際開発銀行。現在は15カ国が会員になっており、中華民国(台湾)は1992年に域外国として加盟した。中米諸国の加盟国のうち、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、ベリーズの4カ国が台湾と外交関係を結んでいる。
CABEIが中米以外の地域に事務所を設置するのは初めて。
(游凱翔/編集:名切千絵)
──────────────────────────────────────※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。