【8月18日 毎日新聞】
【台北・大谷麻由美】台湾中南部を襲った台風8号による大水害で、人道支援物資を運
ぶため、米軍のC130輸送機が16、17の2日間に2度、台湾入りした。1979年の米台断交後、
初となる米軍機の台湾上陸に、中国側が反発することはなかった。台湾メディアは「米国
が事前に打診し、中国も人道支援のため反対しなかった」と報じた。中台関係が改善しつ
つある中、米中台関係も変化が起きているようだ。
国防部(国防省)は米軍の台湾入りに「世界各地で人道支援は行われている」と述べ、
特別視していないという。中国を刺激しかねない事態だが、「人道支援」の名の下にタブ
ーが乗り越えられている。
中央災害対策本部によると、米軍は沖縄基地から台湾空軍基地にC130輸送機で消毒薬
を輸送した。台湾側が要請した救援ヘリコプターについては、17日午後に米軍最大のMH
53E輸送ヘリ1機とSH601機が到着。今後各1機が派遣される。
一方、中国からも救援ヘリ提供の申し出があった。しかし、中国軍の台湾入りに反発は
当然強い。中央災害対策本部は16日、「米国のヘリ配備とあわせて検討したい」と慎重な
姿勢を示した。