霊碑のある烏来(うらい)でも、慰霊碑裏の山肌が数十メートルにわたって地滑りを起こし、慰霊
碑の像が倒され、李登輝元総統が「霊安故郷」と揮毫された銘板のある台座も落石と倒木に埋もれ
ました。
そこで、慰霊碑を守っている旧知のマカイ・リムイさん(馬偕理牧、高砂義勇隊記念協会総幹
事)と連絡を取り合って状況をお聞きし、折しも青年部の台湾研修ツアーで訪台していた杉本拓朗
(すぎもと・たくろう)部長が烏来までお見舞いに駆けつけてマカイさんからお話を聞き、倒壊し
た現場に連れて行っていただきました。
復旧には早くても数ヵ月かかるとの見通しとのことで、そこで本会では慰霊碑の復旧に資するた
め8月26日からお見舞い募金活動を始めました。
予定どおり昨日(11月30日)、募金活動を終了しました。お陰様で197人の方々から204万円もの
ご厚志を寄せていただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
ご案内のように、このお見舞い募金は12月初旬に高砂義勇隊記念協会に持参する予定ですが、募
金の趣旨をきちんと生かしていただくよう使途の透明性を確保したいと考えています。
そこで、原住民研究の第一人者で、本会主催の李登輝学校研修団で何度も講師をつとめていただ
いている中央研究院民族学研究所の黄智慧先生に相談しました。黄智慧先生がマカイさんとも昵懇
だということはマカイさんご自身からお聞きしていました。黄智慧先生はまた、慰霊碑の建つ新北
市烏来区の高富貫・区長とも親しいそうです。
高区長のお名前はどこかで聞いたことがあると思いながら黄智慧先生と話していましたら、日本
航空や日本アジア航空に勤めた後、烏来でタイヤル料理を出すお店「富米有(FUMIYO)」を
経営している高さんだと思い当たりました。昨年11月末の統一地方選挙で烏来区長に当選されたそ
うです。このお店なら、マカイさんに何度か連れて行っていただいています。
そこで黄智慧先生から、お見舞い募金の使い道は、黄智慧先生、マカイ・リムイさん、高富貫区
長の三者で相談して決めたいとのご提案をいただきました。
それなら、使い道の透明性も確保できるのではないかと考え、取り敢えず12月3日に「役員・支
部長訪台団」(梅原克彦・団長、辻井正房・副団長)で高砂義勇隊慰霊碑を訪問する際には当座の
お見舞い金をマカイさんにお渡しし、残りのお見舞い募金は使途が決まるまで本会台北事務所の早
川友久所長に預ける方向で検討しています。
12月2日、黄智慧先生とお会いして話を詰めてまいりますので、またご報告いたします。
なお、先々週、高砂義勇隊慰霊碑を訪問した方のお話によりますと、慰霊碑のある公園はまだ手
付かずの状態だそうで、復旧まではまだまだ時間を要するとのことでした。