驚かされたのは、就任してまだ5日目の9月12日、頼院長が林全・前院長時代につくられた2018年度予算案を撤回し、来年の軍人・公務員・教職員の賃金を3%引き上げることを決定したことだ。
この決定について、与野党の関係者も経済界や労働界も賛意を示して歓迎しているという。蔡英文総統も「政府が先頭に立って賃金を引き上げることで、企業が従業員の賃金を引き上げ、利益を従業員に分配するよう奨励したい」(台湾国際放送)と述べ、賛意を示したと報じられている。
末頼もしいとはこのことだろう。期待度はいっそう高まる。
台湾独立建国聯盟日本本部の顧問で、『台湾よ、ありがとう(多謝!台湾)━白色テロ見聞体験記』(展転社、2013年)の著書もある小林正成(こばやし・まさなり)氏も、頼院長の誕生を「時宜を得た最高の人事」と讃える。そして「今が、建国の絶好のチャンス」とする声明を発表された。下記にご紹介したい。
ちなみに、李登輝元総統も「こういう日本人がいたことに驚いた」と、『台湾よ、ありがとう(多謝!台湾)』に推薦の辞を寄せられている。
—————————————————————————————–台湾行政院長(首相)交代の報に接して─台湾建国は、今が絶好のチャンスだ
台湾独立建国聯盟日本本部顧問 小林 正成
この度、蔡英文総統が、独立志向の強い台南市長、頼清徳氏を行政院長に起用すると言うニュースに接し、いよいよだなと、心躍る思いである。
総統も議会も、過半数を持っての頼氏の起用は、時宜を得た最高の人事であると賛意を称したい。
行政院長就任となれば、事案引き継ぎ等で、繁忙を極めるであろう。しかし、そうした中でも、台湾民衆に選ばれた代表・指導者として、台湾を正式な主権国家として国連に迎えられる国造りに、邁進して欲しい。
その取り組みに対し、中国は声高に脅しをかけてくるだろう。が、そんなものは聞き流し、粛々と進めて頂きたい。
米国の台湾関係法がある限り、中国は台湾に対して、戦火を交える事は無いと確信している。但し、米国の正義の戦力を引き出すには、台湾政権民衆が一致団結した行動が必要である事は、論を俟たない。
この時、今が、建国の絶好のチャンスと、私は考える。
過ぎ去ったチャンスを思う事を、後悔すると言う。
あの時ああすれば良かった。は、後の祭りとも言う。
後悔とは、愚か者の、意味の無い反省と懺悔である。
台湾人は、愚か者でないと、私は信じている。
2017年9月7日