て、台湾の多くが歓迎し、交流の深化と関係強化に高い期待を寄せている。
台湾メディアによれば、林永楽・外交部長は「今回の日本の総選挙の結果は台日関係に
とってプラス」と評価し、施顔祥・経済部長も「台湾と日本の経済協力および台日の企業
提携にとって、これまで以上にいい機会が生まれるのではないか」と期待感を示している。
また、中国国民党の李鴻鈞立法委員(超党派議員連盟「台日国会交流聯誼会」会長)は
「安倍政権が誕生すれば関係発展のチャンスがより高まる」と表明している。
台湾との間では漁業協議交渉が行われているが、外交部の柯森耀次長は「双方には意思
疎通の意向があり、日本の新政権が発足後も前向きな方向に前進するだろう」と語っている。
日本にある台北駐日経済文化代表処の陳調和副代表も「台湾に対し深い理解を持つ安倍
政権は台日関係の推進に好材料となる」との見方を表示したことを伝えている。
このような台湾側の見方を象徴しているのは、外交部が選挙の最終結果が発表される前
の16日夜に報道発表文を出したことだろう。下記に、それを伝えるNHKニュースを紹介
するが、台湾側の安倍政権に対する期待感は、日本人が想像する以上に大きく高い。
ちなみに、台湾からは石原慎太郎氏の動きにも期待の声が挙がっているが、自民党と連
立を組む公明党に関するコメントは見当たらない。
台湾“安倍政権で交流に期待”
【NHKニュース:2012年12月17日】
衆議院選挙で、自民・公明両党が過半数を獲得し、政権が交代することについて、台湾
の外交部は声明を出し、安倍政権が誕生し、日本と台湾の交流がさらに進むことに期待を
示しました。
衆議院選挙の結果について、台湾の外交部は声明で、「安倍総裁が率いる自民党が勝利
したことから、日本の有権者が安倍総裁に大きな期待を寄せたことが分かる」として、安
倍政権が誕生する見通しとなったことを前向きに受け止めています。
さらに、声明では、安倍総裁について、祖父の代から3代にわたって台湾に友好的で、
おととしも台湾を訪れて馬英九総統と会談しているなどと評価したうえで、「台湾と日本
は経済や文化などの交流が進んでおり、自民党が政権を取ったあとも、双方の関係がさら
に安定的に発展することを信じている」と期待を示しました。
また、台湾のメディアは、安倍総裁が沖縄県の尖閣諸島の領有権を巡って強硬な立場を
示していると指摘する一方、いわゆる「親台派」であり、島の周辺海域を対象にした日本
と台湾の漁業交渉には積極的に応じるだろうという、専門家の見方を伝えるなど、肯定的
な論調が目立っています。