次期台湾総統と会見した。
この席で、蔡英文・主席はグリーンエネルギー・精密機械・バイオテクノロジー・IoTモノのイ
ンターネット、国防産業の「五大イノベーション産業」で台湾と協力でき、日本との自由貿易協定
(FTA)締結は経済面において重要な意義があるとして交渉の早期開始を希望したと伝えられ
る。
これに対して佐々木・評議員会議長は、台湾と日本は産業面での相互補完性が高く、日台協力の
強化を希望したという。意気投合したと言ってもよい発言だ。
中央通信社はじめ複数の台湾メディアが伝えているが、本誌では台北駐日経済文化代表処の「台
湾週報」の記事をご紹介したい。
すでに交流協会は、蔡英文氏が1月16日の総統選で当選するや、翌17日、大橋光夫会長が沼田幹
夫・交流協会台北事務所代表を伴い、日本政府を代表して祝意を伝えている。
昨日の本誌で、交流協会の柿沢未知・総務部長が「台湾と日本の関係は過去40年で最もよく、ほ
ぼFTA自由貿易協定締結に等しいレベル」という認識を示しことを伝えた際に、総務部長の発言
がニュースとして取り上げられるのは珍しいと記したが、今度は評議員会議長の佐々木幹夫氏が蔡
英文氏と会見した。さらに珍しいことで、異例と言ってよい。
佐々木幹夫氏は三菱商事社長から現在は会長を経て相談役となっているが、日本貿易会会長や日
本経済団体連合会副会長をつとめた経済界の重鎮だ。台湾との窓口機関である公益財団法人交流協
会が一丸となって、蔡英文政権になってからの日台関係を積極的に築こうとしている印象が強い。
台日自由貿易協定締結望む=蔡英文次期総統
【台湾週報:2016年3月9日】
http://web.roc-taiwan.org/jp_ja/post/28361.html
次期総統に決まっている、最大野党・民進党の蔡英文主席は8日、日本の対台湾窓口機関・公益
財団法人交流協会の評議員会で議長を務める佐々木幹夫氏と会見した。席上、蔡英文主席は日本と
のFTA(自由貿易協定)締結に向けての決意を示し、出来るだけ早く同協定に関する話し合いを始
められるよう希望した。
蔡主席は、自らが提示している「五大イノベーション産業(グリーンエネルギー・精密機械・バ
イオテクノロジー・IoTモノのインターネット、国防産業)」について日本が台湾と協力するよう
呼びかけると共に、台湾と日本が協力してインドや東南アジアなどの海外市場開拓を進められるよ
う希望した。
蔡主席はまた、日本との自由貿易協定締結に向けての決意を示した。蔡主席は、日本との同協定
締結は台湾経済にとって重大な意義を持つとして、出来るだけ早く同協定に関する話し合いを始め
られるよう希望した。
蔡主席はさらに双方の文化交流強化も希望。日本政府観光局の統計によると、2015年に日本を訪
れた台湾の人は延べ300万人以上、台湾にやってきた日本人旅行者も延べ167万人に達していること
から、蔡主席は双方の人々が互いに大変友好的であることを基礎に、これからは若者と社会の様々
な交流をいっそう進めていきたいと述べた。
交流協会評議員会の佐々木議長も台日協力の強化を希望、台湾と日本は産業面での相互補完性が
高いと指摘した。佐々木氏はまた、双方が協力して海外での事業を展開していくとの構想に賛同、
台湾と日本のために海外での市場開拓に向けてより多くの機会を勝ち取っていけることに期待を示
した。
Taiwan Today:2016年3月9日
写真提供:中央社
蔡英文次期総統は日本との自由貿易協定締結を希望。写真は昨年、訪日した時のもの。