め、立法委員(国会議員に相当)旅行業者など約30人の代表団を組んで来日し、東日本大
震災の被災地などを訪問した。
地元紙によれば、2日には仙台市内の観光地などを視察し、3日は気仙沼市を訪れた。ま
た南三陸町を訪問し、公立南三陸診療所や町役場を視察。「日本には台湾という友人がい
て、国民みんなが助けたいと思っている。復興事業をできる限りサポートしていきたい」
と激励したという(河北新報)。また、翌4日には福島県に入り、県庁で佐藤雄平知事と会
談し、台湾赤十字社に寄せられた義援金を活用し、復興関連の事業をさらに支援していく
意向を明らかにしている(KFB福島放送)。
台湾の紅十字会による義捐金募集は今年3月31日まで続け、日本赤十字の募金も3月31日
まで続けられていたものの、台湾からの支援活動は未だに続いている。
ちなみに、台湾の外交部(外務省に相当)は今年2月29日、外交部や内政部などの政府機
関、紅十字会や仏教団体の慈済慈善事業基金会などの民間団体、張栄発氏や王金平氏、日
本交流協会など「民間自行捐贈日本之團體」の3つに区分した募金額をまとめ、その総額を
68億3976万元(≒185億円:1台湾ドル=2.7円で換算)と発表している。
しかし、これはあくまでも台湾の外交部で確認した義捐金であり、例えばこの一覧表に
は本会が李登輝民主協会からの100万元や台北市李登輝之友会からいただいた300万円は入
っていないように、民間間では相当の義捐金が台湾から直接贈られているが、この一覧表
には反映されていない。
また、この一覧表では慈済慈善事業基金会の義捐金は22億360万元(≒60億3720万円:1台
湾ドル=2.7円で換算)となっているが、昨年8月31日付の「岩手日報」が東北の被災3 県内
の約17 万世帯に計85 億円が支給されていると報じていると、金子昭・天理大学おやさと
研究所教授は「東日本大震災における台湾・仏教慈済基金会の救援活動」(『宗教と社
会』2011年11月号)において指摘している。すでにここだけでも25億円もの違いがある。
円と台湾ドル(元)のレート換算率の違いもある。交流協会台北事務所は1台湾ドル=2.9
円で換算していたので、68億3976万元を1台湾ドル=2.9円で換算すれば198億3530万円にな
り、それに慈済慈善事業基金会の差額25億円を足せば223億円ともなる。さらに、それに民
間のものを加えたら……。
やはり台湾からの義捐金が200億円を突破していることは疑いようがない。未だに続けら
れる台湾の支援活動に改めて心から感謝の意を表したい。
◆外交部:政府與民間針對日本3月11日地震海嘯募款情形彙整表[2012/2/29] http://www.mofa.gov.tw/Official/Home/Detail/?opno=dbbd31f1-908c-4d7f-8c29-b855f7336c05
◆台湾の204億円にのぼる義捐金は日本に届いているのか?[2011/8/18] http://melma.com/backnumber_100557_5265007/
◆金子昭・天理大学教授「東日本大震災における台湾・仏教慈済基金会の救援活動」
http://ir.library.osaka-u.ac.jp/metadb/up/LIBRSC01/rsc01_02-073.pdf#search=‘