会と亜東関係協会がお互いの窓口となっている。交流協会は台湾に実質的な駐台湾大使館の役割を
果たす「交流協会台北事務所」を設置し、亜東関係協会は日本に大使館機能を果たす「台北駐日経
済文化代表処」を設置している。
交流協会は昨日（6月18日）、交流協会台北事務所の樽井澄夫（たるい・すみお）所長が7月14日
付で退任し、翌15日付で前ミャンマー大使の沼田幹男（ぬまた・みきお）氏が就任すると発表し
た。下記にその全文を紹介したい。
沼田氏は、昭和25（1950）年3月生まれの64歳。茨城県出身で拓殖大学商学部卒。外務省入省
後、領事局長などを経てミャンマー大使。
拓殖大学は台湾と縁が深い。明治33（1900）年、第2代台湾総督の桂太郎により、台湾の開拓を
実施するための人材を育成する教育機関として開校、その名も「台湾協会学校」だった。
明石元二郎・第7代台湾総督の民政長官をつとめた後藤新平に招かれ、台湾の製糖業の発展に尽
くした新渡戸稲造（にとべ・いなぞう）は国連事務次長に就く前の大正6（1917）年に拓殖大学の
第2代学監（現在の学長）に就任している。その後、大正8（1919）年には後藤新平自身が第3代学
長に就任、昭和4（1929）年に亡くなるまで務めている。
本会の小田村四郎会長も拓大総長をつとめ、現在の渡辺利夫・総長も台湾でのシンポジウムで発
表するなど台湾との縁は深い。
拓殖大学学友会のホームページでは、沼田幹男氏が外務省領事局長に就任した3年前の9月15日付
で、下記のように伝えている。
＜外務省は8月5日、専門職として採用された沼田幹男大臣官房参事官を領事局長に起用する人事を
発表した。沼田氏は拓大72期、商学部卒業、外務省語学研修員採用試験（中国語）に合格し1974年
(昭和49年)入省。優秀ないわゆる「ノンキャリヤ」職員を1種(キャリヤ)職員へ昇格させる抜擢制
度の対象となり、現在はキャリヤ外交官となっている。本学出身の本省局長就任は初めてであり、
大学、卒業生はこぞって祝福し、誇りに思っています。＞
いま台湾は曲がり角にある。このまま中国に傾斜してゆくか、アメリカや日本との絆を深くする
か、選択を迫られている。2年後には総統選挙も控えている。沼田氏の交流協会台北事務所長就任
によって、日台関係がどのように伸展してゆくか楽しみだ。
理事選任経過について（樽井現所長の退任、沼田新所長の就任等）
【交流協会：2014年 6月 18日作成】
１．経過
公益財団法人交流協会は、平成26年6月17日に開催した第6回評議員会及び第2回みなし理事会に
おいて、舟町仁志氏、沼田幹男氏、大西賢氏及び田中誠一氏を理事として選任しました。同理事の
選任は理事の死去及び辞任に伴うものです。
同理事の選任にあたり、一層の透明性の確保を図るために、国家公務員の経歴を有しない評議員
5名と国家公務員及び当協会役職員の経歴を有しない外部委員1名により構成される「役員候補者推
薦委員会」を事前に開催し、舟町仁志氏、沼田幹男氏、大西賢氏及び田中誠一氏を役員候補者とし
て評議員会に推薦することを決定いたしました。
選任理由は下記２．記載のとおりです。
なお、これにより、当協会役員に次のとおり異動が行われます。
舟町仁志氏 理事・専務理事就任
（平成26年7月1日付）
樽井澄夫現台北事務所長 理事・台北事務所長退任
（平成26年7月14日付）
沼田幹男氏 理事・台北事務所長就任
（平成26年7月15日付）
安藤努氏 理事退任
大西賢氏 理事就任
（平成26年6月17日付）
駒井正義氏 理事退任
田中誠一氏 理事就任
（平成26年6月17日付）
２．選任理由
舟町仁志氏（58歳）については、長年にわたり経済産業省や外務省において国際経済及び国際関
係分野の経験を有しており、また、当協会台北事務所副代表としての経験もあることから専務理事
として適任である。
沼田幹男氏（64歳）は長年にわたる外務省での経験を有し、その間在香港日本国総領事館領事、
外務省領事局長、在ミャンマー大使を歴任し、国際関係において豊富な経験と高い知見を有してお
り、台北事務所長を兼ねて台湾における本会業務を執行する業務執行理事として適任である。
大西賢氏（59歳）及び田中誠一氏（61歳）については、いずれも民間企業において要職を歴任さ
れ、国際的な経験も豊富であり、国際関係にも高い知見を有していることから、当協会の理事とし
て適任である。
