内予備選挙に立候補していた洪秀柱・立法院副院長(67歳)が、12日と13日に実施した3社による
世論調査で30%以上という出馬条件を大きく上回る46.203%を獲得、事実上、総統選公認候補にな
ることが決まった。
今後、中国国民党は6月17日の中央常務委員会に調査結果を報告し、委員会の認可を受け、7月19
日に行われる国民党全国代表大会で総統選公認候補者を決定する。
すでに民主進歩党(民進党)の総統選候補に決定している蔡英文・主席(58歳)は「洪女史が国
民党公認候補になれたなら、『二人の女性の戦い』と言うよりは、むしろ2人で新しい選挙文化を
作れたらいいと思う。罵りあったり怪文書をばら撒いたり、根も葉もない噂を流したりすることの
ない、クリーンな選挙文化を台湾に根付かせたい。これはとても意義のある選挙選になると信じて
いる」(台湾国際放送)と述べて祝意を表したという。
ホッとしているのは、朱立倫・中国国民党主席だろう。知名度の低さが懸念されていた洪氏が出
馬条件を大きく上回る支持率を獲得したことについて「今日の数字は、数日前に党内で独自に行っ
た事前調査の結果をはるかに上回ったものだった。大切なのは党内における支持ではなく、台湾の
人々に認めてもらい、支持してもらうことだ」(台湾国際放送)と述べ、自身や王金平・立法院長
の立候補があり得ないことを示した。
ちなみに、洪秀柱氏は1948年4月7日、台北県(新北市)生まれ。文化大学法学部卒。米国ミズー
リ州立ノースイースタン大学教育学修士。1990年に立法委員に当選して現在8期目。これまでに中
国国民党副秘書長や副主席などを歴任し立法院副院長。
下記にNHKニュースを動画とともに紹介したい。
台湾総統選 与党候補に洪秀柱氏が有力に
【NHK:2015年6月14日】
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150614/k10010114471000.html
台湾の与党・国民党は、来年の総統選挙に向けた候補者選びで、議会の副議長を務める洪秀柱氏
が公認に必要な支持率の条件を満たしたと発表し、来月の党大会で正式に公認候補に選出される可
能性が強まりました。
台湾では次の総統を選ぶ選挙が来年1月に行われる予定で、中国との融和策を進める与党・国民
党と、独立志向が強いとされる最大野党・民進党などの間で争われます。
民進党はすでに党首の蔡英文主席を公認候補に決めています。
これに対して国民党の候補者選びは難航し、議会の副議長に当たる立法院の副院長を務める洪秀
柱氏(67)が、ただ1人立候補を表明していました。
国民党は規定に基づいて世論調査を行った結果、洪氏が3つの調査会社の平均で46.2%の支持率
を得て、公認に必要な「30%以上」という条件を満たしたと14日発表し、来月の党大会で正式に公
認候補に選出される可能性が強まりました。
洪氏が公認候補となれば、事実上、女性どうしの一騎打ちとなる見通しです。
しかし、与党・国民党の対中政策への懸念などから去年の統一地方選挙で野党・民進党が躍進す
るなか、知名度が低く中国との統一志向が強いとみられている洪氏では幅広い支持は得られないと
いう見方もあり、最終決定に向け党内の駆け引きが続くことも予想されます。