開票日の11月29日のうちに引責辞任を表明、12月1日には内閣総辞職した。
中国国民党の曽永権・秘書長も11月29日に辞任し、12月25日に台北市長を退任する●龍斌氏も11
月30日に党副主席を辞任した。
馬英九氏も12月3日の国民党中央常務委員会で重大な発表を行うと発表し、国民党主席辞任を臭
わせている。
台湾メディアは、馬氏が党主席を辞任した場合に「呉敦義・副総統が代理主席となり、3ヶ月以
内に臨時全国代表大会を開いて新しい主席を選出する」(11月30日付「台湾国際放送」)と伝えた
が、なんと副主席を兼任するその呉副総統も12月1日に辞任を表明した。
つまり、7人の副主席のうち呉敦義、●龍斌の両氏が辞任を表明したことで、残るは曽永権・前
秘書長、朱立倫・新北市長、黄敏恵・嘉義市長、洪秀柱・立法院副院長、胡志強・台中市長の5人
となった。しかし、胡志強市長は民進党の林佳龍候補に圧倒的な差をつけられて破れ、黄敏恵市長
とともに12月25日に市長職を規定に従って退任する。
重鎮副主席、秘書長が相次いで辞任を表明、これに馬主席が辞任を表明すれば、ほぼ瓦解状態と
いってよい。中国国民党は立て直しに相当の時間がかかることは素人目にも分かる。2016年の立法
院委員、総統の国政選挙には間に合うまい。
その上、内閣が総辞職したのだから、馬英九政権は新内閣が発足するまで政策決定を行うことも
できなくなっている。ほぼ完全な死に体(レームダック)といってもいい。
江宜樺・行政院長は総辞職に際して「国のために尽くした努力と犠牲は、台湾の人々に恥じるこ
とのないものだ」と強調したと伝えられる。民意を振り返らない独善的内閣を象徴するような発言
だ。民意を汲み取れなかった政権や与党の末路では、泥船から逃げ出すように身内から去ってい
く。中国国民党への風当たりはさらに厳しくなることは世の常である。
●=都の者が赤