中国から入国禁止措置の石平・参議院議員が訪台、卓栄泰・行政院長などが大歓迎

昨年7月20日の参議院選挙で当選した日本維新の会の石平・議員(本名:北埜陽)は12月31日、Xで「年明けに台湾訪問の予定」と発表した。

なぜ台湾を訪問するのか、その目的について「一つは、来年の台湾海峡情勢と日台防衛協力強化の可能性について台湾方面の関係者と意見交換をすること。

もう一つは、中国によって入国禁止されている私が台湾に入国することで、台湾は中国と無関係の独立国家であることを証明すること」だと述べていた。

当選から1ヵ月半後の9月8日、中国は、台湾や尖閣諸島などで誤った言論をばらまいたことや、参院議員として靖国神社を参拝したことを挙げ反外国制裁法に基づくとして、石議員に中国国内の財産凍結や入国禁止などの制裁を科した。

この制裁措置に対し、石議員は「日本で正しい政治活動をしてきたことの証しでもありむしろ光栄だ。

勲章をもらったようなものだ」と反発した。

とは言え、言論の自由が認められる日本での言論活動に対する中国の理不尽な制裁措置については思うところがあったようで、それが12月31日に表明した台湾訪問となった。

1月6日、台北の松山空港に降り立った石議員は「『(中華人民共和国から入国を禁止されている)私が問題なく台湾に入国できたことは、台湾は決して中国の一部ではない、台湾は中華民国であって中華人民共和国とは全く違った別々の国であることをこの瞬間に証明してみせた』と主張。

『本日、私が台湾に来たのは、まず第一にこの点を証明するためであり、台湾が独立国であることを世界に訴えるためだ』と付け加えた」(時事通信)と報じられている。

この石議員の訪台について、中国側は「取るに足らない悪党のたわごとであり、言及する価値もない」(中国外務省・毛寧報道官)と不快感をあらわにしたという。

逆ねじを食わせるとはこのことだろう。

石議員を台湾に招待した「印太戦略智庫」(INDO-PACIFIC THINKTANK インド太平洋戦略シンクタンク)執行長の矢板明夫・元産経新聞台北支局長や葉建揚・台日産経友好促進会会長らが空港に出迎えた。

石議員は台湾到着の1月6日夜、インド太平洋戦略シンクタンクと台日産経友好促進会が主催した台北市内のヒルトンホテル台北で開かれた「海鮮を食べて、日本を応援しよう」という、1,000人を超える人々が集まった「台日友好チャリティ晩餐会」に出席、卓栄泰・行政院長や1月6日付で台湾日本関係協会会長に就任した謝長廷・総統府資政などから大歓迎を受けたという。

実は、台湾の国会議員の沈伯洋・立法委員(民進党)も昨年10月28日、中国の重慶公安当局から、台湾独立・分裂組織の黒熊学院を立ち上げたという理由で「国家を分裂させる犯罪活動」に従事したとして、刑事責任を追及するため捜査対象とされた。

しかし、沈伯洋議員は11月12日、ドイツ連邦議会の人権・人道支援委員会で開かれた民主主義と人権に脅威を与える独裁国家からの偽情報を議題にした公聴会に出席し、「会議では主にヨーロッパにおける偽情報と浸透の事例について議論が行われ、私は専門家証人および立法委員として台湾の経験を紹介した」(台湾国際放送)という。

沈議員は「中国は私が出国すれば逮捕されると脅していた」ため出国自粛を勧める政府関係者もいたことを明らかにし、「台湾は中国の脅威を恐れてはいけない。

世界の民主主義と自由の陣営が共にあってこそ、独裁国家による侵害に対抗できる」と述べるとともに、「ドイツ入国時に異常はなく、特別な警護も要請しなかった」(台湾国際放送)と述べたと伝えられている。

石平議員は沈伯洋議員の事例を知っていたのかもしれないが、いずれにしても、中国の国内法で日本や台湾の国会議員の言論や行動を取り締まろうとするのは言語道断の措置である。

日台2人の国会議員が中国の逆手を取って行動した勇気は賞賛されてしかるべきだろう。


維新・石平参院議員が訪台 「台湾は決して中国の一部ではない」【中央通信社:2025年1月6日】https://japan.focustaiwan.tw/politics/202601060003

(台北中央社)日本維新の会の石平参院議員は6日、台北市内で開かれるシンポジウム出席などのため台湾を訪問した。

台北松山空港で報道陣の取材に応じた石氏は、「台湾は決して中国の一部ではない」と語った。

石氏は中国語と日本語であいさつ。

自身が中華人民共和国から入国禁止措置を受けていることに触れつつ、問題なく台湾に入国できたとし、「台湾は中華民国であり、中華人民共和国とは全く違った別々の国であることをこの瞬間に証明してみせた」、「世界に対して台湾は独立した国家であることを伝えた」と述べた。

また中国外交部の報道官が昨年末、石氏の訪台について「話す価値もない」と発言したことに対しては、「(中国が)言及するかどうかは、私には関係のないことだ」と一蹴した。

石氏は台湾に4日間滞在するとし、各界の関係者といかに台日間の友好・協力関係を強化し、台湾海峡とアジアの平和を維持するかについて話し合うと語った。

その上で、今回の訪台で多くの成果を得たいとし、台湾の各界の友人たちと楽しい時間を過ごせることを願っていると語った。

(楊尭茹/編集:齊藤啓介)


※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。