ブリンケン国務長官候補とオースティン国防長官候補が公聴会で台湾支持

 バイデン政権はトランプ政権時代の対中国・対台湾政策をどこまで継承するのか、固唾を飲んで台湾は見守っている。

 米国閣僚の多くは上院の各委員会で開く指名公聴会に臨み、上院の承認を経て正式に就任する。

 オバマ政権で国家安全保障担当副大統領補佐官や国務副長官をつとめ、バイデン大統領から国務長官に指名されたアントニー・ブリンケン氏は、上院の公聴会において「台湾の国際参加については、構成員が国家と定められていない国際機関には参加すべきで、国家であることが条件となる機関でも、参加を可能にするその他の方法がある」と述べ、また、オバマ政権で陸軍副参謀総長やアメリカ中央軍司令官を歴任し、バイデン大統領から国防長官に指名されたロイド・オースティン氏は公聴会において「中国に台湾侵攻の決定を下させないために力を尽くす」と述べたという。

 国務長官候補が「中国の台頭は米国にとって最大の挑戦だ」と述べ、国防長官候補も中国について「米国が直面する最も懸念すべき競合国」と述べ、政権中枢の2人の候補者が台湾支持を表明したと伝えられている。中央通信社も報じているので下記に紹介したい。

 これでバイデン政権の台湾政策の一端がみえたことで、台湾政府は少し安心したのかもしれない。ただし、バイデン大統領が外交・軍事戦略の指針となる「国家安全保障戦略」を発表し、国防総省が「国家防衛戦略」を発表するまで対中国・対台湾政策の全貌は判明しない。もちろん、対日政策もだ。

—————————————————————————————–ブリンケン米国務長官候補「台湾の国際参加に期待」 外交部が感謝【中央通信社:2020年1月20日】https://japan.cna.com.tw/news/apol/202101200005.aspx

 (ワシントン中央社)バイデン次期米大統領から国務長官に指名されたアントニー・ブリンケン氏が、台湾について、国際社会でより大きな役割を担うことに期待すると述べたのを受け、外交部(外務省)は20日、台湾支持の立場を表明したバイデン次期政権に「心からの感謝」を表明した。

 米上院では19日、バイデン次期政権の閣僚人事承認に向けた公聴会が開かれた。ブリンケン氏は、台湾関係法にのっとって台湾の自己防衛力強化を支援する米国の姿勢を強調。台湾の国際参加については、構成員が国家と定められていない国際機関には参加すべきで、国家であることが条件となる機関でも、参加を可能にするその他の方法があるとの考えを示した。

 一方、国防長官に指名されたロイド・オースティン氏は、中国に台湾侵攻の決定を下させないために力を尽くすと明言。台湾の自己防衛力強化が台湾海峡両岸と地域の安定に役立つとの考えを示すとともに、新しい概念を用いて地域における米国の威嚇力を高める構想があることも明らかにした。

(江今葉、徐薇?/編集:塚越西穂)

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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