政府高官など海外要人の台湾訪問が相変わらず続いている。
3月11日には、2008年に独立・建国したコソボ共和国から同国の元首相を団長として、対台湾友好議員連盟に所属する超党派の国会議員計9人が訪問した。訪台は初めてのことだという。
15日には、米国から下院歳出委員会国防小委員会委員長を団長とする超党派の歳出委員会メンバー6人が訪問している。
なんと、20日にはドイツから科学政策などを担当する連邦教育研究省(BMBF)のベッティーナ・シュタルク・ヴァッツィンガー(Bettina Stark-Watzinger)大臣が科学や教育分野などでの協力を強化するため台湾を訪れるという。ドイツから閣僚が訪問するのは26年ぶりだそうだ。
実は、シュタルク・ヴァッツィンガー大臣は昨秋、台湾行政院国家科学・技術委員会の呉政忠主任委員と会談しており、「地政学面から見て、台湾のハイテクサプライチェーンにおける重要性はより一層明確であり、われわれは重要な民主的パートナーである台湾とハイテク研究の提携強化を望む」(11月22日付「NNAグローバルナビ」)とコメントしていたというから、このときに台湾訪問についても話し合われたようだ。
台湾とドイツ間のハイテク部門トップによる会談はそれが初めてで、今回のシュタルク・ヴァッツィンガー大臣の訪台は中国依存からの脱却を図るショルツ政権の転換点となりそうだ。
ちなみに、ドイツからは昨年10月2日、ドイツ連邦議会による正式な訪問団として超党派の国会議員団6人が訪問し、10月23日にもドイツ議会人権委員会の正式派遣による超党派の国会議員団6人が台湾を訪問している。
今年に入ってからも、 1月9日に連邦議会国防委員会委員長と自由民主党副幹事長が率いる代表団が訪台している。
—————————————————————————————–ドイツの教育・研究相 来週台湾訪問へ 独閣僚の訪問は26年ぶり【NHKニュース:2023年3月18日】https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230317/k10014012371000.html
ドイツ政府は、科学政策などを担当する閣僚が、来週、台湾を訪れると発表しました。ドイツの閣僚が台湾を訪問するのは26年ぶりになります。
ドイツ教育・研究省の報道官は17日の記者会見で、シュタルクワツィンガー教育・研究相が、来週、科学や教育などの分野での協力を強化するため台湾を訪れると発表しました。
日程は詳しく明らかにしていませんが、地元メディアは今月20日から訪問すると伝えています。
報道官は、「台湾は特に半導体の開発と生産で世界をリードしている」として、半導体の開発や研究などでも意見を交わすことに期待感を示しました。
ドイツの閣僚が台湾を訪れるのは、1997年に当時の経済相が訪れて以来、26年ぶりになります。
ドイツは、おととし退任したメルケル前首相のもとで中国との経済面での関係強化を進めてきましたが、現在のショルツ政権はレアアースなど重要な資源の調達や貿易で中国に依存する状態からの脱却を進めています。
一方、ロイター通信は関係者の話としてドイツ政府が中国を過度に刺激することを避けるため、シュタルクワツィンガー教育・研究相が台湾を訪れる間に蔡英文総統と会う予定はないと伝えています。
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