チャイナエアラインの改称は政府マターに 機体に「台湾」表記か

 昨日の本誌で、台湾の中華航空(チャイナエアライン China Airlines)の英語名称に「チャイナ」が入っていることから、中国の航空会社ではないかと間違われやすいため、名称を変えたらどうかと提案されていることを紹介した。

 すると、4月14日に蘇貞昌・行政院長は、チャイナエアラインという名称でさまざまな混乱を来しており、台湾と中国が違うことを世界に知ってもらうための工夫が必要だとの考えから、機体などに「台湾」の表記を加えることを検討すると表明した。

 また「国を代表する航空会社に台湾と表記することは政府が努力すべき方向だとの考えを示した」そうで、チャイナエアラインの改称問題は政府マターになりそうな雰囲気になってきた。

 いまのところ、チャイナエアライン側も政府の意向を受け入れているようで、意外とあっさりと片が付くような道筋が見えてきた。

 武漢肺炎をほぼ完全に抑え込んでいる台湾ゆえに、このような改称、つまり台湾正名の論議を行う余裕が出てきたようにみえる。

—————————————————————————————–「チャイナエアライン」、機体に「台湾」表記を=首相、名称巡る議論で【中央通信社:2020年4月14日】

 (台北中央社)台湾の航空会社「チャイナエアライン」(中華航空)が中国の航空会社だと誤解を招くとして改名を求める声が上がっている件で、蘇貞昌行政院長(首相)は14日、機体などに「台湾」の表記を加えることを検討する姿勢を示した。改名にはさまざまな問題が絡むため、容易ではないとしつつ、国を代表する航空会社に台湾と表記することは政府が努力すべき方向だとの考えを示した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、海外から台湾人を帰国させるなど重要な役割を担う同航空会社。台湾で生産されたマスクの寄贈先への輸送も行っているが、機体に「China」と入っているため、中国からの支援だと勘違いされるとの指摘が上がっている。

 蘇院長は、台湾のマスクが中国からのものだと誤解されることについて「われわれはこのような損を多くしてきた」と言及。同社の名称でさまざまな混乱を来しているとし、輸送する物資に国旗や「Taiwan Can Help(台湾は助けることができる)」の文字を入れるよう交通部(交通省)を通じて同社に要請したとし、この機に乗じて自社のロゴマークを付けPRをするべきではないと述べた。

 これに加え、機体などに台湾に関する表記を加えることも提案。台湾と中国が違うことを世界に知ってもらうための工夫が必要だとの見方を示した。

 この問題について総統府の張惇涵報道官は、行政機関は立法院(国会)や社会各界と引き続き討論を重ねていくとした。

(陳俊華、温貴香/編集:楊千慧)

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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