昨日の本誌でお伝えしたように、日本李登輝友の会は12月22日、安倍晋三・元総理令夫人の安倍昭恵さんをお招きして22回目となる「日台共栄の夕べ」を開催し、取材陣はこれまでに例のない17社にも及んだ。
昭恵夫人は「台湾に寄せる私の思い」と題して講演し、その模様をNHK、TBSテレビ、フジテレビ、産経、朝日、読売などの大手メディアから台湾の自由時報や中央通信社、週刊新潮やフライデー、FLASHなどの週刊誌メディアにも取材に来ていただいた。
それ以外に、台北駐日経済文化代表処の「台湾週報」や、全日本川柳協会副理事長・事務局長と東葛川柳会代表を兼任する江畑哲男氏の「江畑哲男熱血川柳ブログ」では昨日ときょうの2日連続でその模様をお伝えいただいた。
本日の「江畑哲男熱血川柳ブログ」では「動画を見れば、安倍夫人の語り口はお分かりになるでしょう。
もの静かで品があって、少々〈天然〉も入っている(失礼!)。
講演ズレしていないところが、かえって新鮮でした」と紹介している。
編集子もまったく同じ思いで聴き入っていた。
江畑氏は加えて「欲を言えば、一点。
マスコミ各社は、台湾の李登輝総統とのエピソードに言及して欲しかった。
李登輝総統と安倍総理。
固い絆で結ばれておりました。
親子のような、兄弟のような、同志のような絆が二人の間にはあった、と。
(まぁ、そこまでは無理なんですかねぇ〜、笑)」と感想をつづられている。
これまた同感である。
昭恵夫人の台湾観の原点は、昭恵夫人が講演で紹介したように「李登輝先生と主人は師弟であり、父子であった」という深い親交で結ばれたご主人の安倍元総理にある。
安倍元総理は李元総統から何を学んだかについてほとんど明らかにしなかったが、世界に「自由で開かれたインド太平洋」構想を受け入れさせた指導者であり、なかんずくトランプ大統領から絶大な信頼を勝ち得たその背景には、李元総統から学んだ指導者像があるように思えてならない。
いずれにしても、昭恵夫人の台湾観の原点には李元総統と安倍元総理の交流があってこその台湾観であり、そこに昭恵夫人のオリジナリティが加味されたと言ってほぼ間違いないだろう。
メディアとしては締切時間や紙幅の制約もあったのかもしれないが、李登輝元総統と安倍元総理のエピソードをはさめば記事の奥行は広がったはずだ。
トランプ大統領に引っ張られ過ぎた感が強い。
その点で、台湾の中央通信社は「昭恵さんは『台湾という国はかつては日本であった』とし、『日本人がずっと忘れてしまったものを今も年配の台湾の方たちがしっかり覚えている』と言及。
その一番の代表的な人物として李登輝元総統を挙げ、安倍元首相が生前『日本人以上に日本の良さをよく分かっている』と李氏をたたえていた」と報じた。
ツボをはずさなかった中央通信社の記事を下記にご紹介したい。
また、謝長廷・台北駐日経済文化代表処代表の後任として、挨拶された李逸洋代表のお話も、台湾が置かれている現況を的確に紹介しつつ、李登輝元総統と安倍元総理に言及し「この二人の指導者が台日関係および地域安全保障に果たした貢献は極めて大きい」と讃えたことは、一部のメディアでしか紹介されなかったので、ここにご紹介したい。
なお、昭恵夫人の映像は時事通信映像センターのYouTubeが手短に紹介している。
記事はトランプ大統領とのことに引っ張られ過ぎの典型的な記事だが、映像では昭恵夫人の語り口を的確にとらえているので下記に紹介したい。
◆トランプ氏「戦争したくない人」 安倍昭恵さん、面会内容明かさず
【時事通信映像センター:2024年12月22日 1分56秒】
https://www.youtube.com/watch?v=m48YBZBueq8
安倍昭恵さん、東京で講演 有事にならない道を探る姿勢示す=日本李登輝友の会主催
【中央通信社:2024年12月23日】
https://japan.focustaiwan.tw/politics/202412230002
(東京中央社)安倍晋三元首相の妻、安倍昭恵さんは22日、台湾と日本の交流を図る民間団体「日本李登輝友の会」が東京都内で開いた会合で「私の台湾へ寄せる思い」と題して講演した。
「台湾有事は日本有事」という安倍氏の言葉に触れた上で、自身は平和主義者だとし、「もし有事になったらどうするかを考える前に、有事にならないことをどうやったらできるかということを考えたい」と話した。
昭恵さんは「台湾という国はかつては日本であった」とし、「日本人がずっと忘れてしまったものを今も年配の台湾の方たちがしっかり覚えている」と言及。
その一番の代表的な人物として李登輝元総統を挙げ、安倍元首相が生前「日本人以上に日本の良さをよく分かっている」と李氏をたたえていたことを紹介した。
講演の最後では、日本と台湾の良い関係が末永く続くことに期待を表明。
来年2月に台湾で開催される安全保障に関するフォーラムに出席する計画を伝えた上で、自身と一緒に訪台したいとの声が多くあることから、「来年は安倍昭恵と行く台湾ツアーを企画できれば」と語り、会場からは大きな拍手と笑いが上がった。
(戴雅真、楊明珠/編集:荘麗玲)
李逸洋・駐日代表が「日本李登輝友の会」講演会に出席
【台湾週報:2024年12月23日】
https://www.taiwanembassy.org/jp_ja/post/101036.html
李逸洋・駐日代表は12月22日、「日本李登輝友の会」の会合に出席し、同日の講演者である安倍昭恵さんらと台日関係の発展について意見交換した。
同会合で挨拶した李代表は、米国のブリンケン国務長官が先日述べたように、中国は「台湾は中国の内政であり、他国に口出しする権利はない」とよく言うが、国際社会は各国が台湾を応援する権利があると明確に表明していると指摘した。
また、李代表は、李登輝・元総統が平和的手段により台湾の民主化実現に導くことに成功し、安倍晋三・元首相が「台湾有事は、すなわち日本有事」と述べ、さらに「自由で開かれたインド太平洋」の提唱者でもあることから、この二人の指導者が台日関係および地域安全保障に果たした貢献は極めて大きいとの認識を示した。
そのうえで李代表は、今後も二人の精神を継承し、皆と共に地域の繁栄と平和のために奮闘したいとの考えを示した。
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