地元紙の南日本新聞は「職員3人が県内企業の海外進出や貿易拡大支援、観光交流促進に向け活動する。鹿銀の海外事務所開設は中国・上海以来12年ぶり。地方銀行の台湾進出は福岡銀行、秋田銀行に次いで3行目となる」と報じています。
この日の夜に開かれた事務所設立記念パーティーには、金融監督管理委員会の顧立雄・主任委員や沼田幹夫・日本台湾交流協会台北事務所代表、元総統府国策顧問の金美齢氏なども来賓として出席してお祝いしたと「NNA ASIA アジア経済ニュース」は伝えています。
銀行の台湾支社や事務所開設は、企業の台湾進出にとって心強い味方です。特に地銀の事務所開設は地元企業にとって大いに頼りとなる「闇夜の提灯」的な存在。鹿児島銀行の英断を讃え、台北駐在員事務所の開設に祝意を表します。
下記に、鹿児島銀行台北駐在員事務所の連絡先や、九州フィナンシャルグループが4月3日に発表したニュースリリース「鹿児島銀行台北駐在員事務所の開設について」、その開設を伝える「NNA ASIA アジア経済ニュース」の記事をご紹介します。
ちなみに、台湾に支店を構えている日本の銀行は、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行の3大メガバンクで、次いで、地方銀行の中でも最大の預金量を持つといわれる福岡銀行が2015年12月18日に台北駐在員事務所を開設、翌2016年10月7日には秋田銀行が初の海外拠点として台湾事務所を開設し、今回の鹿児島銀行の駐在員事務所の開設は6行目となります。
一方、台湾の銀行では、台湾銀行、第一銀行、彰化銀行、中国信託銀行、兆豊銀行、玉山銀行の6行が日本に支店を開設しているそうです。
◆鹿児島銀行台北駐在員事務所(川畑大介所長) 台北市信義区松仁路89号 1號交易廣場7階E室 TEL:02-2758-9510
◆鹿児島銀行台北駐在員事務所の開設について【ニュースリリース:2019年4月3日】 https://www.kyushu-fg.co.jp/newsrelease/pdf/20190403_02.pdf
《日系進出》鹿児島銀が台北事務所、地銀3行目【NNA ASIA アジア経済ニュース:2019年4月9日】https://www.nna.jp/news/show/1889910
鹿児島銀行は8日、台北市信義区のオフィスビル「交易広場」に駐在員事務所を開設した。取引先企業の台湾進出のサポートや農畜産物の輸出入促進などを手掛けるのが目的。同行の海外駐在員事務所の設立は上海に続いて2カ所目、日本の地方銀行が台湾に事務所を設けるのは3行目となる。
開所に立ち会った同行の上村基宏頭取は台湾市場について、「東南アジアへの発展の足掛かりになる重要な市場」と強調。新事務所の業務内容については「まずは取引先企業の台湾進出をサポートしたい」と述べた。企業からの貿易相談件数は台湾がトップだと指摘した上で、「米中貿易摩擦などもあり、これから進出企業は増えていくだろう」と予測。現在は3人のスタッフを将来的に、約10人に増やす考えがあることも明らかにした。
上村頭取はまた、鹿児島県が生産量で全国1位を占めるものも少なくない農畜産物の輸出入を促進していく方針も表明。とりわけ、台湾政府が17年に日本からの輸入を解禁した牛肉については、「台湾産に比べ品質が高く、輸出を伸ばすことができる」との見方を示した。このほか、観光客の誘致を図る取り組みも率先して行っていくという。
上海事務所が手掛ける業務との違いについては、「上海は情報収集や顧客のアテンダントにやや偏っていた。台湾ではさまざまなビジネスを銀行主導で手掛けていきたい」と話した。今後の海外展開については、5年ほど先にベトナム、タイ、シンガポール、インドネシアなどに事務所を開設することを視野に入れていると明らかにした。
同日夜には事務所設立記念パーティーが台北市内のホテルで開かれた。パーティーでは金融監督管理委員会(金管会)の顧立雄・主任委員(閣僚級)が挨拶し、「鹿児島銀行の駐在員事務所設立で鹿児島と台湾の経済交流がさらに発展することが期待される」などと述べた。
パーティーにはこのほか、日本台湾交流協会台北事務所の沼田幹夫代表や作家の金美齢氏などの来賓、また日系企業や台湾企業の関係者らが多数参加した。