鹿児島県出水(いずみ)市は2017年5月、台湾の真ん中に位置し「台湾地理中心碑」も建立され、「台湾のへそ」とも言われる南投県埔里鎮と「姉妹都市盟約」を結んでいる。
出水市はまた、毎年、1万羽以上の鶴が越冬し、地域を挙げて鶴との共生につとめていることから、野鳥観察や生態系保全の分野で交流を強化していこうと、このほど台湾野鳥保育協会と連携・協力に関する覚書を結んだという。
日本と台湾では姉妹都市などの都市間提携や学校の姉妹校提携などは多いが、生態系保全の分野における連携・協力提携は珍しい。
調印式は台湾で行われ、出水市の椎木伸一(しいのき・しんいち)市長と台湾野鳥保育協会の姜栄寛・理事長が調印し、観光署(観光庁)立ち会ったという。
調印式の模様を台湾の公視新聞網が伝えているので、中央通信社の記事とともに紹介したい。
◆公視新聞網:加強台日賞鳥生態交流 鹿兒島出水市長來台簽備忘録[2月22日]
台湾野鳥保育協会、鹿児島県出水市と覚書に調印 野鳥観察や生態系保全で協力へ【中央通信社:2024年2月23日】https://japan.focustaiwan.tw/society/202402230002
(台北中央社)台湾野鳥保育協会は22日、交通部(交通省)観光署(観光庁)立ち会いの下、鹿児島県出水市と連携・協力に関する覚書を締結した。
双方は今後、野鳥観察や生態系保全の分野で交流を強化していく。
同協会は昨年11月、出水市ツル博物館クレインパークいずみで台湾でしか見られない野鳥の写真展を開催した。
これがきっかけとなり、今月初旬、同市との野鳥写真展が北部・新竹県で行われるなど、双方は鳥類を通し友好を深めてきた。
調印式には同協会の姜栄寛理事長や出水市の椎木伸一市長が出席し、覚書に署名した。
姜理事長はあいさつで、台湾との交流強化に向け、出水市が毎年11月を台湾月間に定める方針だと明らかにした。
椎木市長は覚書の調印により、多分野で交流が拡大し、より多くの日本人に台湾を好きになってもらえればと期待を寄せた。
エコツーリズムの促進を図り、出水市は今年年末ごろに、観光署が管轄する雲嘉南浜海国家風景区管理処と協力する予定。
同風景区は台湾中部から南部にかけての海岸沿いにある観光スポットからなり、野鳥観察の名所としても知られる。
(楊淑閔/編集:荘麗玲)。
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