上記で記したように、宮崎県西都市と宜蘭県羅東鎮は2018年7月30日に「姉妹都市盟約」を結んでいました。 西都市のホームページには、その経緯について下記のように記しています。引用に際し、元号の次に西暦をカッコで補ったことをお断りします。
<西都市は、グリーンツーリズムを生かした教育旅行生誘致活動やスポーツキャンプ等誘致活動など、台湾からの誘客活動に力を入れ交流を進めていました。平成28年(2016年)3月10日、西都市が羅東鎮公所を表敬訪問した際、羅東鎮より姉妹都市盟約について正式な提案がありました。当時は市民レベルでの交流が不十分だったため、まずは幅広い分野での交流が図れるよう努めるとした「友好親善宣言」を平成28年11月4日に締結し、続いて平成29年(2017年)7月31日に「相互交流都市提携に関する協定」を締結しました。そして今後も文化・芸術・教育・スポーツ・観光・農業・商業等の幅広い分野において積極的な交流を図り、国際交流関係を発展させていくため、平成30年(2018年)7月30日に「姉妹都市盟約」を締結しました。>
西都市のホームページに記載はないようですが、土浦市議団の行政視察報告書にあったように、両自治体が「友好親善宣言」や「姉妹都市盟約」を結ぶに至った最大の要因は「西都市童子丸在住 台湾北東部 羅東鎮出身の黒木萌々華さんの尽力」にあったようです。
羅東鎮出身の黒木萌々華(くろき・ももか)さんがどのような尽力をしたのか、その思いとは何だったのかなどについて、地元紙の宮崎日日新聞が「姉妹都市盟約」締結前日の記事で黒木萌々華さんを取り上げていましたので下記にご紹介します。
その後、宮崎県の高千穂町と花蓮市も2019年10月8日に「姉妹都市盟約」を結んでいますが、高千穂町はホームページに「高千穂町と花蓮市姉妹都市盟約までの経緯」を掲載し、その冒頭に「約50年前 医師不足だった西臼杵郡に台湾より医師、歯科医師5〜6名を招聘。台湾と町民との交流が始まる」と記しています。
—————————————————————————————–西都市と台湾・羅東鎮の姉妹都市盟約締結に尽力した黒木萌々華(くろき・ももか)さん 【宮崎日日新聞:2018年7月29日】https://www.the-miyanichi.co.jp/hito/_33621.html
「生まれ故郷と第二の故郷の懸け橋となれたことが何よりもうれしい」。結婚を機に西都市に移り住んでちょうど20年。悲願だった同市と台湾・羅東鎮との姉妹都市盟約締結式を今月30日に控え、感無量の表情を浮かべた。
台湾有数の商業都市である羅東鎮で生まれ、高校卒業後の1991年に留学のため来日した。語学学校を経て東京の音大へ進み、友人の紹介で同市出身の夫と出会った。卒業後、しばらくは東京で通訳として働いていたが、結婚後の98年に同市へ移り住んだ。
「自然豊かでいい場所だけど、もっと発展するべきだ」と西都の第一印象を振り返る。打開策を考える中でたどり着いたのが、羅東鎮との姉妹都市締結を通じた活性化だった。
羅東鎮の役所に相談したところ、「まずは民間交流から」とのアドバイスを受けた。そこから、持ち前の突破力と交渉力を発揮した。県内に教育旅行の視察に訪れた台湾の学校関係者に「西都に来てください」と直談判して回った。
2013年度には初の受け入れが実現し、1校39人が訪れた。それが昨年度には約10倍の11校366人にまで増えた。教育旅行をきっかけに、市と羅東鎮は友好親善宣言、相互交流都市協定締結を経て、姉妹都市となる。しかし、「これは第一歩」と断言する。
目指すのは西都を潤すための経済交流だ。「西都の農産物を羅東鎮で販売できれば、本当の恩返しになる」 西都生まれの1男1女は台湾に留学中。現在は自営業の夫と同市童子丸で2人暮らし。45歳。
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