日本政府は11月3日付で、令和6年秋の叙勲受章者を発表しました。
受章者は3,987人で、別枠の外国人叙勲は46ヵ国・地域の87人(女性は20人)でした。
今回、台湾からの受章者は3人。
旭日重光章の李嘉進(り・かしん)元亜東関係協会会長(男性、67歳)、旭日小綬章の林清波(りん・せいは)互助営造株式会社総裁(男性、94歳)、瑞宝単光章の呉素琴(ご・そきん)元日本台湾交流協会台北事務所現地職員(女性、65歳)です。
授与される勲記には、例えば「日本国天皇は李嘉進に旭日重光章を授与する 皇居において璽をおさせる」と記され、日本国の印章である国璽がおされ、時の内閣総理大臣と内閣府賞勲局長の署名・押印が入っています。
また、日章をデザインしたそれぞれの勲章が授与されます。
旭日大綬章(旧勲一等)は皇居において天皇陛下御自ら受章者に直接授与され、旭日重光章(旧勲二等)は皇居において天皇陛下ご臨席の下に内閣総理大臣から受章者に手渡されます。
旭日中綬章(旧勲三等)からは所管大臣が受章者に伝達しますが、台湾の場合は日本台湾交流協会台北事務所代表が代表公邸において受章者に伝達しています。
実は、叙勲された李嘉進氏とは、馬英九政権末期に日本李登輝友の会の「役員・支部長訪台団」で懇談したことがあります。
2015年12月のことでした。
筑波大学大学院で学んだ知日派で、立法委員や国家安全会議諮問委員を経て、馬英九政権時代の2013年5月に亜東関係協会会長に就いた李氏は、安倍晋三首相が提唱した「日台漁業取決め」の締結に尽力したと聞き、それなら一度お会いしてみようと申し入れたところ、間もなく承諾したとの返答があり驚いたことを思い出します。
お会いしてみると、李氏はとてもフランクな方で、団長を務めた梅原克彦・常務理事(当時)など参加者からの馬総統の中国寄り政策への非難を含んだ質問にもあまり嫌な顔をせず、日本語で率直に答え、日本との関係の重要性について力説していたことを覚えています。
毎年の春秋の叙勲者を外務省に選任・推薦するのは日本台湾交流協会台北事務所。
政府決定を受け、日本台湾交流協会は今回の3氏の写真とともに功労概要を概況について公表しています。
3氏の受章を心からお祝い申し上げ、下記に日本台湾交流協会の記事をご紹介します。
ちなみに、2005年春に再開された台湾人叙勲で、蔡茂豊氏(台湾日本語教育学会元理事長、元東呉大学外国語学院院長)が旭日中綬章を受章して以来、台湾からの叙勲受章者は86人となります。
別途、「台湾の叙勲者一覧」をご紹介します。
令和6年秋の外国人叙勲における台湾の受章者【日本台湾交流協会:2024年11月3日】https://www.koryu.or.jp/news/?itemid=4111&dispmid=5287
11月3日、日本政府は令和6年秋の外国人叙勲受章者を発表しました。
その中で、下記のとおり、台湾から3名の方が日台間の友好関係の増進に顕著な功績があったとして受章されました。
日本台湾交流協会としても日台関係の発展のために長年にわたり献身的なご尽力をされてこられた受章者のご貢献に衷心の敬意と謝意を表します。
勲 章:旭日重光章氏 名:李 嘉進主要経歴:元亜東関係協会会長功労概要:日本・台湾間の友好親善及び相互理解の促進に寄与
李嘉進氏は、台湾の対日本窓口機関である亜東関係協会(現台湾日本関係協会)会長を務めるなど、日台間の経済関係の強化、文化交流の促進、民間友好関係の増進に寄与した。
勲 章:旭日小綬章氏 名:林 清波主要経歴:互助営造株式会社総裁功労概要:日本・台湾間の経済交流の促進に寄与
林清波氏は、互助営造企業集団総裁として、日本企業の台湾における大規模建設プロジェクトの円滑な進行に貢献。
老爺酒店集団総裁としては台湾における日系のホテルチェーンの展開に注力した。
勲 章:瑞宝単光章氏 名:呉 素琴主要経歴:(公財)元日本台湾交流協会台北事務所現地職員功労概要:(公財)日本台湾交流協会在外事務所活動に寄与
呉素琴氏は、27年8か月余りの間、(公財)日本台湾交流協会台北事務所に勤務し、査証・領事業務を担当し、同事務所の業務遂行を支えるとともに、日台関係の発展に貢献した。
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