信金控)が業務提携の協力覚書(MOU)を締結した。静岡県内の金融機関が台湾の金融
機関と提携するのは初めてだという。「台湾週報」が詳細を伝えているのでご紹介したい。
日経新聞もこの提携について「静岡銀は、県内企業の進出意欲が強い、タイやインドネ
シアなどアジアの金融機関との提携を加速している。同行の海外金融機関との提携は、中
国信託HDで13行目となる」と伝えている。
6月16日に投開票が行われた静岡県知事選挙では、無所属で現職の川勝平太氏が2期目の
当選を果たしている。川勝知事は台湾との交流に熱心だ。
静岡県は台湾との交流を後押しするため、今年4月22日から「ふじのくに静岡県台湾事務
所」を台北市内で運営している。また同日には、日本富士山協会と中華民国山岳協会によ
り「富士山と玉山の友好山提携の協定締結に向けた覚書」の交換が行われている。
さらに、中央通信社の報道によれば、6月13日には「茶道裏千家淡交会」静岡支部のメン
バー44人からなる台湾訪問団が嘉義県の張花冠県長を表敬訪問し、双方がそれぞれに茶芸
を披露して交流したという。
昨年の本紙3月19日号でもお伝えしたが、交流に熱が入っているのは静岡県側ばかりでな
く、嘉義県の張花冠県長も熱が入っている。火をつけたのは嘉義県側といってもよい。
実は昨年3月、幕張で開かれた「FOODEX JAPAN 2012」に参加するため高雄市の陳菊市長
や雲林県の蘇治芬県知事とともに来日した張花冠県長は、陳菊市長などとの同行日程を変
更し、3月9日に川勝平太・静岡県知事を県庁に訪ねている。張県長が川勝知事を訪ねるの
は一昨年3月に続いて2度目で、静岡県と嘉義県は文化、観光、農業、スポーツなどの分野
で交流を深めることで一致したという。
日台間にはすでに群馬県が彰化県や台中市、高雄市と友好協力協定を締結した前例があ
る。静岡県と嘉義県にも友好協力協定締結を期待したい。
台湾の中国信託ホールディングと静岡銀行が協力覚書を締結
【台湾週報:2013年6月11日】
台湾の中国信託ホールディング(中信金控)は6月10日、日本の静岡銀行と業務提携の協
力覚書(MOU)を締結した。今後、両行は取引先の台日企業の金融・貿易・投資などの
ニーズに対して迅速かつ適切な金融サービスを提供する。
中国信託ホールディングによると、2010年9月に台湾と中国大陸の「海峡両岸経済協力枠
組み協議」(ECFA)が発効して以来、日本企業による台湾への投資が着実に増加して
おり、台湾を中国大陸進出の投資基地とすることを望む日本企業があることから、台湾に
進出している静岡銀行の取引先企業にも、台湾における総合的な金融サービスに対するニ
ーズが高まっている。中国信託ホールディングでは、日本の地方銀行との初の業務提携で
あり、北東アジア金融市場を見据えた重要な一里塚であるとの認識を示した。
また、静岡銀行によると、静岡県内の金融機関が台湾の金融機関と提携するのは初めて。
今回の業務提携により、中国信託商業銀行の台北本店日本事業処および東京支店は、日
本企業を対象にした台湾で事業を展開するための投資法令情報や金融サービスを日本語で
提供する。静岡銀行は、すでに台湾に進出している、あるいは進出を検討している取引先
企業に対して、中国信託ホールディングの金融サービスを提供することで支援体制の強化
を図る。
静岡県は今年4月に台北に「ふじのくに静岡県台湾事務所」を開設するなど、台湾と静岡
県の経済・貿易、観光交流はますます緊密になっている。