台湾が尖閣諸島を自国領と主張する根拠を覆す史料を次々と紹介してきたが、昨日、また
もや石井准教授は中国の主張を覆す中国の史料記述を明らかにした。
それは、明王朝の「皇明実録」(こうみんじつろく)という公式日記だという。読売新
聞が伝えているので下記に紹介したい。
なお、石井氏はこれまで、台湾の馬英九総統が発見したという『全台図説』は尖閣諸島
が清国の国外だったことを示していて、逆に「日本の領有権の正当性が改めて証明され、
尖閣を日本が盗んだとする主張も根本から崩れた」との指摘や、中国側が根拠とする古文
書『順風相送』(じゅんぷうそうそう)という航路案内書は約440年前に成立したもので、
文中の記述も、尖閣が中国ではなく、琉球に帰属することを示す内容であり、中国側の領
有権主張に歴史的根拠がないことを指摘している。詳しくは下記の本誌掲載号を参照いた
だきたい。
◆石井望・長崎純心大准教授の研究で中国・台湾の領有権主張の根拠が崩壊![2012/11/23] http://melma.com/backnumber_100557_5704327/
◆石井望・長崎純心大学准教授が中国・台湾の歴史的根拠を徹底論駁![2012/12/9] http://melma.com/backnumber_100557_5716181/
尖閣、400年前は支配外…明王朝公式日誌に
【読売新聞:2013年1月21日】
http://news.livedoor.com/article/detail/7334119/
中国の明王朝の公式日誌「皇明実録」(こうみんじつろく)の中に、明の地方長官が日
本の使者との間で、明の支配する海域が尖閣諸島(沖縄県)より中国側にある台湾の馬祖
(ばそ)列島までと明言し、その外側の海は自由に航行できるとした記述を、長崎純心大
の石井望准教授(漢文学)が見つけ、21日午前に長崎市内で記者会見して明らかにした。
中国は現在、尖閣諸島を約600年前の明の時代から支配してきたと主張しているが、石井
氏は記者会見で、「歴史的に見ても、尖閣を巡る論争は日本側の主張が正しいということ
が、この史料からわかる」と語った。
石井氏が見つけたのは、江戸時代初期にあたる1617年8月の皇明実録の記述。沿岸を守る
長官だった「海道副使(かいどうふくし)」(海防監察長官)が、長崎からの使者・明石
道友(あかし・どうゆう)を逮捕・尋問した際の記録で、皇帝への上奏文として納められ
ていた。
それによると、この海道副使は明石に対し、沿岸から約40キロ・メートルの「東湧島」
(とうゆうとう)(現在の馬祖列島東端・東引島)などの島々を明示したうえで、この外
側の海を「華夷(かい)の共にする所なり」とし、中国でも他国でも自由に使える海域だ
と指摘したという。魚釣島(うおつりじま)などからなる尖閣諸島は、中国大陸から約330
キロ・メートル離れている。
中国は、明王朝の1530年代に琉球に派遣された使者の記録をもとに、琉球の支配海域の
境界は尖閣諸島の東側にある久米島と同諸島の大正島の間にあり、魚釣島などは明の領土
だったと主張している。だが、今回の記述により、明の支配海域は沿岸から約40キロ・メ
ートルまでで、尖閣諸島はどこの国にも属さない「無主地」だったことが明らかになっ
た、と石井氏は指摘している。日本政府は、尖閣諸島が「無主地」であることを調査・確
認したうえで、1895年に日本に編入したとしている。