懸案となっている日台漁業交渉について、窓口になっている日本交流協会台北事務所の
樽井澄夫代表は1月15日に台北市内で行った講演で「今年前半を越さないうちにも結びた
い」と協定締結への決意を示し、カウンターパートである亜東関係協会の黄明朗秘書長は
「できるだけ早く協議を終了させ、協定締結にこぎつけたい」と即応している。
一昨日の16日、まだ春節休暇中の台湾で、林永楽・外交部長が「次の予備協議が今月末
あるいは来月の初めまでに開けることを希望」する旨を記者団に表明している。
本日は、陳冲内閣が春節前の1月7日に総辞職し、行政院副院長から新たに行政院長(首
相に相当)に就任した江宜樺氏率いる新内閣が発足する。
今回は、日台双方の実務者に漁業協定を結びたいという意向が強く、何度も協定締結へ
向けた意思確認を行っている。このようなことはこれまで見られなかったことだ。江内閣
となってもその道筋は変わらないだろう。林外交部長が春節休暇中にもかかわらず、漁業
交渉への期待を表明したのは江宜樺・新行政院長に向けたメッセージでもあろう。
林外交部長 台日漁業交渉の進展を期待
【中央通信社:2013年2月16日】
(台北 16日 中央社)外交部の林永楽部長は16日、昨年11月再開された台日漁業交渉に
ついて、第17回会談に向けた次の予備協議が今月末あるいは来月の初めまでに開けること
を希望し、また交渉の具体的な進展を期待すると表明した。
林外長は今朝、報道関係者の取材に応じ、台日漁業交渉について、次回の予備協議が早
いうちに開けることを望んでいると意欲を見せた。
沖縄と台湾との間の操業範囲を画定するための漁業交渉は1996年から始まり、2009年ま
でに16回の会談が開かれたが、具体的な成果は上がっていない。
日本が「尖閣国有化」を決めた9月を前後して台日間でも一時は緊張が高まったが、双方
が同海域の現実的な問題である漁業問題の実務解決で一致、第17回会談に向けた1回目の予
備協議は昨年11月30日に東京で開かれたが、協議を継続させることで合意した。