ド」について、昨日の本誌では動画「祝!『台湾』国籍が在留カードに記載!」を掲載す
るとともに、台湾では外交部などが次々と在留カードに関するニュースを発信しているこ
とをお伝えした。
その中に、台湾の新聞最大手の「自由時報」の張茂森・駐日特派員の記事「等了40年 旅
日台僑國籍改回台灣」も紹介した。本誌編集部で邦訳したので紹介したい。
ちなみに、張茂森・駐日特派員は、平成21(2009)年7月15日に公布された「出入国管理
及び難民認定法」案の成立が見えてきた2009年3月14日、法改正を推進する自民党の「日台
若手議連」(岸信夫会長)が開いた勉強会の模様を「在日台湾同胞の国籍期待される『中
国』から『台湾』への改正」の見出しで報道し、併せて同議連幹事長の萩生田光一(はぎ
うだ・こういち)衆議院議員へのインタビューも掲載するなど、外登証問題について逐一
報道してきたベテラン記者。
◆ 祝!『台湾』国籍が在留カードに記載!
http://youtu.be/FSZtX11OHMg
40年待っていた 在日台湾人の国籍表記がようやく是正
【自由時報:2012年7月10日】
http://www.libertytimes.com.tw/2012/new/jul/10/today-t2.htm
写真:「台生報」発行人の連根藤さんは新しいカードをうれしそうにメディアへ披露。(駐
日特派員・張茂森撮影)
〔駐日特派員張茂森/東京9日報道〕日本の出入境管理法改正に伴い、これまでの「外国
人登録証」が廃止され、9日から新たな「在留カード」の発行が始まり「国籍・地域」の欄
には「台湾」の文字が記載された。早稲田大学博士課程に在籍する台湾人留学生の黄俊揚
さんは1番目に、「台生報」発行人の連根藤さんは2番目に、それぞれ「在留カード」を手
にした。2人は新しい在留カードをうれしそうに撮影させてくれた。
◆強制的に中国人にされていた状況を変えたのは正名運動
1972年、日中国交樹立後、日本政府は在日台湾人の携帯する「外国人登録証」上の国籍
欄に「中国」と記載し、日本に在住する台湾人が有形無形の不利益を被る一因となってい
た。
「日本李登輝友の会」や在日台湾人の度重なる抗議により、国会では出入国管理法の改
正が可決され、法務省が一元的に外国人登録を管理することとした。同時に、これまでの
「外国人登録証」を廃止するかわりに、身分証明書として「在留カード」を発行すること
とした。最大の変更点は「国籍・地域」の欄に記載される「中国」が「台湾」に改められ
たことだ。
◆新しい在留カード 博士課程の学生が一番のり
新しい「在留カード」の発行が始まった9日午前7時、東京入境管理局に並ぶ行列の先頭
には「台生報」発行人の連根藤さんの姿があった。ただ、窓口処理の順番が前後したこと
で、午前8時に並んだ黄俊揚さんが第1号の「在留カード」を手にすることに。カードを手
にした黄俊揚さんと連根藤さんは、うれしそうにカードを掲げてみせた。
◆国家か地域か 解釈は各自で
日本政府が法改正して発行した新しい在日外国人の身分証の「国籍・地域」欄には「台
湾」と表記されている。「台湾」が「国家」なのか「地域」なのかは「解釈次第」となる
が、「不満は残るが受け入れられる」との意見が多い。1972年以来、台湾人が日本政府に
よって中国人にされてきた状況が、この日ついに「正常」に戻ったのである。
長年、台湾正名運動に努力してきた日本李登輝友の会の柚原正敬事務局長は「この成果
は日本における『台湾正名運動』の成果であり、日本政府が『台湾は台湾、中国は中国』
とはっきりさせたことは、台湾人の権利利益にとって非常に重要だ」と述べた。
さらに柚原氏は、今般の正名運動成功の最大の原動力は、2003年に(民進党政権が)パ
スポート上に「TAIWAN」の文字を加えたことだとし、現在の台湾政府がその手柄を
横取りしようとしているさまは「非常に不可思議だ」と指摘している。
日本に長く居住し、台湾正名運動を推進してきた医師の林建良氏(元台湾同郷会会長)
は、日本政府の法改正は台湾人を完全に満足させるものではないにせよ、非常に重大な意
義を持っていると指摘。日本政府は台湾の地位を、パレスチナと同様に、「国家であろう
と思料されるものの、未だ国家ではない」との論法で捉えており、台湾を一刻も早く国家
にするため、台湾人はより一層の努力が必要だとした。また、日本では「台湾の地位は未
定」とされていることにも言及した。
(翻訳:本誌編集部)