火傷をするなどし、これまでに2人が死亡している。
台湾の外交部が2日午前に発表したところによると、台北駐日経済文化代表処(駐日本台湾大使
館に相当)の調整により、日本からは日本医師会がAMDA(アジア医師連絡協議会)を通じて2
名の医師を台湾へ派遣することに同意し、7月2日、人工皮膚の移植・治療などを施す患者の状況の
把握のため2名の医師が台湾に到着、事故の被害者が最も多く収容されている台北市の三軍総医院
に向かったと伝えられている。その詳細を「台湾週報」が伝えているので下記に紹介したい。
また、多くの医療資源が必要とされているのを受け、医療機器の開発、製造、販売などを行う
「富士システムズ」からシリコンガーゼ「トレックス」が寄付されたそうで、同社の川口洋一郎社
長は「東日本大震災の際に台湾の皆様から大きな支援をいただきました」と述べつつ、製品が少し
でも役立てばとフェイスブック上でコメントを発表しているという。
報道によれば「同ガーゼは高価で、使用量も少ないため、台湾では輸入が停止され、輸入許可証
もなくなっていたものの、民進党の林淑芬議員らの衛生福利部への働きかけにより、使用のための
手はずが整えられたそうで、林議員は「日本から届けられた温もり」だと同社の川口洋一郎社長に
感謝を述べたと伝えられている。同社のフェイスブックページ上には30日午後3時30分現在、「あ
りがとう」「感動しました」などのコメントが3300件以上寄せられているとも伝えられている。
「八仙水上楽園」火災事故の負傷者治療に日本の医師界から人工皮膚提供
【台湾週報:2015年7月2日】
6月30日、台湾路竹会の劉啓群・会長は、「日本医師会およびアムダ(AMDA)と連絡を取
り、その後、台北駐日経済文化代表処の積極的な協力により、日本医師界に『八仙水上楽園』火災
事故の負傷者治療に協力していただくことになった」と明らかにした。
日本医師会は、6月30日に緊急理事会を開き、台湾で発生したこの火災事故の負傷者への治療に
関する協力を可決し、AMDAが専門の医師を台湾の治療支援に派遣する経費を補助することと
なった。
ANDAは、人工皮膚製造の日本メーカーからの関連する医療材料の提供について、すでに調整
を済ませているが、この人工皮膚の移植・治療は日本独自の技術であり、基本的には日本の専門医
師だけが行うことができる技術である。
路竹会によると、今後の火傷患者治療の最も重要な時期は、火傷し1週間後〜1カ月の間であり、
先に火傷の傷口を処理し、新しい皮膚を再生させることである。この度の火災事故患者の治療をど
のように支援し、台湾側で必要としている医薬材料の提供数を把握するため、日本側は2名の医師
を先に派遣することとした。
AMDAの菅波茂・理事長と、日本集中治療医学会の氏家良人・理事長は7月2日午前に台北に到
着し、その後、両医師は衛生福利部(衛生福利省)、中華民国医師公会全国聯合会、路竹会と協力
し、関連する作業を行う。
新北市政府衛生局が発表した6月30日夜時点での「八仙水上楽園」火災事故による負傷者は498名
(後に1名死亡)で、52カ所の病院に搬送された。入院患者の内、ICUで治療中の患者は277名、
一般病棟での入院患者は160名で、60名がすでに退院した。
路竹会の劉会長は2015年3月、外交部NGO事務会において、AMDAの菅波理事長と協力覚書
(MOU)を締結した。このMOUは、国際的な災害・緊急救援あるいは、人道的医療支援の際
に、路竹会医療チームがAMDAのメンバーと協力するというものである。