頼清徳・副総統も臨席して台北で安倍元総理の追悼コンサート

頼清徳・副総統も臨席して台北で安倍元総理の追悼コンサート

 は凶弾に斃れた安倍晋三・元総理の国葬に対する日本と台湾の反応は、なんとも対照的なところがあり、いったいどっちが日本なんだろうとさえ思えてきます。

 日本では、安倍元総理の訃報が伝わるや多くの方が斃れた現場や自民党会館に足を運んで弔意を示しました。ただ、国葬が閣議決定されると護憲・リベラル派の人々が国葬反対のデモや集会を行い、中止を求める署名活動や裁判も起こされています。立憲民主党、社民党、共産党などの野党も国葬実施に反対しています。

 一方、台湾では「台湾安倍晋三友の会」などが企画し、企業や団体、個人の有志が共同出資した全面広告が8月15日付の産経新聞に見開き2ページで掲載されました。

 全面広告の右ページには、安倍元総理のにこやかな顔写真とともに、大きな文字で「追悼・感謝 安倍晋三先生」と打たれ、その下に「日本が偉大な国と確信し、人生をその国に捧げた最も勇敢な指導者に敬意を捧げます」と記されています。左ページには175の企業や団体、個人の有志の名前とともに、「私たちは、安倍元首相が世界の自由と民主主義のために果たされた偉大な功績を決して忘れません」「遺志を私たちが引き継ぎ、台日親善を推進します」という、心打ち震えるようなメッセージが記されていました。

 また、8月20日には聯邦商業銀行や台湾好徳公益文化協会などが主催する安倍元総理を追悼するコンサートが台北国際会議センターにおいて行われ、来日してお通夜や葬儀にも参列した頼清徳・副総統なども出席したそうです。

 この追悼コンサートについて、台湾外交部の「Taiwan Today」誌が頼副総統の挨拶を詳しく伝え「安倍氏の実弟で首相補佐官の岸信夫氏はビデオメッセージを寄せ」たことなどを報じていますので下記に紹介します。

 なお、追悼コンサートに招待された台北在住の梅原克彦・本会常務理事(元仙台市長、元国際教養大学教授)によれば、会場には約2000名が訪れていたそうで、ビデオ・メッセージは岸信夫・衆議院議員ばかりでなく、高市早苗・経済安全保障大臣や有村治子・参議院議員からも寄せられたそうです。

—————————————————————————————–頼副総統、「台湾の親友」安倍晋三氏の追悼コンサートに出席【Taiwan Today:2022年8月22日】https://jp.taiwantoday.tw/news.php?post=223897&unit=149&utm_source=Taiwan+Today+JP+9&utm_medium=email&utm_content=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9+textlink

 台湾好徳公益文化協会と聯邦商業銀行(UNION BANK OF TAIWAN)による日本の安倍晋三元首相を追悼するコンサート「台湾摯友・日本前首相 安倍晋三慈善追思音楽会」(台湾の親友・日本の安倍晋三元首相追悼音楽会)が20日に台湾北部・台北市内で行われた。民間全民テレビ(民視 FTV)による台湾チャンネル(CH152)、MOD(マルチメディア・オン・デマンド)、インターネット放送の「四季線上」で中継された。日本の全盲のシンガーソングライター大山桂司さんら日本と台湾の歌手が複数参加し、順番に歌を捧げた。

 コンサートには頼清徳副総統が出席した。頼副総統はあいさつの中で、「安倍元首相に対する思い出と感謝がその死去によって変わるものではない。また安倍元首相のインド太平洋地域の安全保障戦略におけるイニシアチブがとん挫することはなく、かえってより強い力となって同地域の平和を安定させる作用を発揮するものと信じる」と述べた。

 安倍元首相の台湾に対する友好的な姿勢について頼副総統は、2016年の台湾南部地震(中国語では「高雄美濃地震」、「台南地震」とも)で安倍元首相が地震発生翌日に政府関係者5人を被災地に送り込み、台湾が必要とする援助を実地で把握させたことを指摘。その目的は日本側の支援が台湾での災害救助や被災者救済を妨げることを望まなかったからであり、安倍元首相はそれほど「細心」だった(配慮が細やかだった)と説明した。

 また2018年の花蓮地震では、台湾への援助のほか、自ら「台湾加油」(台湾がんばれ)と色紙に揮毫、動画を撮影して台湾を激励したことに触れ、安倍首相はそれほど「真心」だった(本心から激励してくれた)と語った。さらに台湾の農家が中国による圧迫を受けていると、安倍元首相は自ら台湾のパイナップルを食べてみせ、台湾の農産物の販売を助けるなど「熱心」だった(親切だった)ほか、台湾がコロナ禍の中でワクチン不足に陥ると日本政府の台湾に対する400万回分を超えるワクチンの無償供与実現のため奔走してくれたと説明、安倍氏は台湾に対してそれほど「愛心」を持っていた(思いやる気持ちを持っていた)と感謝した。

 頼副総統はさらに、中国が国際間で台湾を圧迫し、「文攻武嚇」(言論による攻撃と武力による威圧)を行う中、安倍元首相は先頭に立って台湾のWHO(世界保健機関)入りを強く支持、国際社会で台湾のため声を上げたほか、「台湾有事は日本有事」と明言、さらには米国に対して台湾へのあいまい戦略を見直して戦略をはっきりさせるよう呼びかけるなど、それほど「用心」だった(心を砕いてくれた)と説明した。頼副総統は、これら今でもはっきりと目に出来る数々の行いは安倍氏がすでにこの世にいないことを想像出来なくすると嘆いた。頼副総統は、「安倍氏が不幸にも世を去ったことは安倍氏の家族にとっての不幸であるばかりでなく、日本の不幸だ。台湾も家族のような友人を失った。そしてさらには世界の損失だ」と述べた。

 安倍氏の実弟で首相補佐官の岸信夫氏はビデオメッセージを寄せて台湾の人々にあいさつし、安倍氏が生前常に台湾を気にかけていたこと、そして地域の安全保障に対する日台関係の重要性を理解し、双方の関係のさらなる強化に期待していたことを明かした。岸氏はまた、頼副総統が日本で行われた安倍氏の葬儀に参列したことに改めて感謝。そして、安倍氏は故・李登輝氏と特別な縁があるとし、「すでに二人はこの世にいないが、日本と台湾の関係は永遠のものだ。これからも共に努力し、日台関係をより強固にしなければならない」と語った。

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