震災で深まった日台 「世界はひとつ」心にあふれたあの曲  盧 千恵

震災で深まった日台 「世界はひとつ」心にあふれたあの曲  盧 千恵
八田與一墓前祭をめぐる羽鳥直之氏と盧千恵(ろ・ちえ)夫人の往復メールをご紹介し
たが、折しも昨日(5月20日)、盧千恵夫人が「SANKEI EXPRESS」に毎月1回
寄稿されている「盧千恵のフォルモサ便り」が掲載された。下記にご紹介したい。

 今回の東日本大震災に対して「すぐそばに住む台湾人は、自分の身内に起こった出来事
のように、心配し続けてきました。心配を超えて慌てふためいたと言った方が適切かもし
れません」と書かれている。まさに台湾はそのような雰囲気だったようだ。それが、あま
たのお見舞いメッセージや560トンを超える支援物資、181億4000万円(5月16日現在)もの
義捐金となって現れている。

 台湾でも原発問題は深刻のようだ。来年1月14日に投開票が行われる総統選挙の大きな争
点になるという。台湾の原発事情が日本と同じ事情ではないようだが、どのように異なる
のかをいずれ本誌でもお伝えしたいと思っている。

 なお、盧千恵夫人は5月12日、150万部のベストセラーとなっている99歳の詩人、柴田ト
ヨさんの処女詩集『くじけないで』(飛鳥新社)を『人生別氣餒』(気を落とさないで)
というタイトルで翻訳し、出版されている。


震災で深まった日台「世界はひとつ」心にあふれたあの曲
【SANKEI EXPRESS:2011年5月20日「盧千恵のフォルモサ便り」】
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/disaster/507833/

 わたしは時折、菅政府が言葉少なに言及する「台湾」から、彼の日本政府は他の国々と比べ、
台湾を大切に思っていないのではないかと心配してしまうのです。しかし、3月に起きた大
災害は、いろいろな思惑を飛び越え、台湾人と日本人の間を、限りない連帯感で結び付け
たと思っています。

 人類の体験したことのない危機に出会った日本に、すぐそばに住む台湾人は、自分の身
内に起こった出来事のように、心配し続けてきました。心配を超えて慌てふためいたと言
った方が適切かもしれません。「台湾友の会」会長、黄崑虎さんは、あちこちから届けら
れた救援物資─魚の好きな日本人に台南産のミルクフィッシュ缶詰百箱、乾燥野菜、毛布
─などをエバエアー航空に無償で東京まで運んでもらい、日本「育桜会」のボランティア
に手渡しました。この活動は2回目が終わり、まだ続く予定です。

■胸打つ短歌と手紙

 日本の新聞や雑誌などで、たびたび取り上げられたことのある『台湾歌壇』(会長、蔡
焜燦氏)では、3月27日の歌会で50首近くの胸を打つ短歌がうたわれました。

 神風の生れ代りか原発を護る勇士らに神の加護あれ       陳 瑞卿
 黙々と天災地変に耐え抜きて復興に励む人ぞ美はし       李 英茂
 この先の長き苦難の道の辺に咲く四季の花やさしくあれかし   黄 教子

 日本の方々からは、台北教育大付属小の学生たちが集めた寄付金に対して、やさしいお
礼の手紙が届きました。

≪元気をありがとう。勇気をありがとう。愛をありがとう。希望をありがとう。未来をあ
りがとう。非常喜歓台湾人。謝謝!!≫

≪台湾の子どもたちの未来も、明るくありますように。We love Taiwan.≫

 このような短歌やお手紙を読んで、ディズニーランドのテーマ曲“小さな世界”のメロ
ディーと歌詞が、心のなかからあふれ出てきました。日本と台湾だけでなく、世界中の国々
でこの大災害を機に、フレンドシップの丸い輪が広がり、世界がひとつになっていくよう
に感じました。

■人ごとでない原発危機

 ビルディングコード(建築の規則、法律)が世界一厳しい国、土木工学、建築、地球学、
どの分野においても世界をリードする地震研究大国の日本で、地震と津波によって引き起
こされた原子力発電の危機を目の当たりにし、台湾だったら?と、危惧する台湾人が増え
ました。経済の高度成長よりも、環境問題に目を向け、本当の豊かさを求めようよと、高
校生たちが総統に手紙を書きました。

≪馬英九総統:小さな台湾に四つも原子力発電所は必要でしょうか。万にひとつ、日本の
ような災害が起こったら、小さな台湾は廃墟になってしまいます。災害が起こった後で、
黙祷(もくとう)一分間をしても問題の解決にはなりません。第四発電所建設の見直しを
してください。わたし達は青い空、新鮮な空気、清らな水の流れる渓流が何よりも大事だ
と思っています≫

■総統選の争点に

 原子力エネルギーの危険性のほかに、環境破壊の国光石油化学工場の建設中止を求める
声が大きくなりました。それまではがんを病む詩人、呉晟さんが長年細々と、イルカの回
遊する、生牡蠣の食べられるふるさと、彰化沿岸の湿原を守ろうと、漁民や友人作家に呼
びかけていただけでした。

≪わたしの詩句が
 ピストルの弾のように
 欲望に目がくらんでいる人々の脳みそを
 うがつことができれば
 あるいは はがねの剣になって
 私利私欲にふくらんでいく胸を
 つらぬくことができれば
 しかし そんなことはできない
 こらえにこらえ
 もう一度悲しみの詩を書こう
 焦りと憤りを飲み込んで≫
 (呉晟:「もう一度君のために詩を書こう」)

 穏やかな詩人の詩に見向きもしなかった政府は、就職人口を増やせると、許可を与える
寸前でした。ところが、この災害の発生で抗議運動は盛り上がり、来年の総統選挙戦の大
きな争点となり、民進党総統候補の蔡英文さんは建設反対を唱え、馬総統は暫定的に建設
取りやめを約束しました。

 原爆を投下された唯一の国、原子力発電の大災害に直面した国、日本の若者たちと、国
の未来を心配している台湾の若者が、地球を守るために何をすればよいのかを、自然エネ
ルギーの研究、エネルギー消費の見直しなどについて手を携え考える日が来ますようにと
願ってやみません。

                      ◇

■ロー・チェンフィ 1936年台中生まれ。60年国際基督教大学人文科学科卒業後、国際基
 督教大助手。61年許世楷氏と結婚。夫とともに台湾の独立・民主化運動にかかわったこ
 とからブラックリストに載り帰国できなかった。台湾の民主化が進んだ92年に帰国し、20
04年〜08年、夫の駐日代表就任に伴って再び日本に滞在。夫との共著に「台湾という新し
い国」(まどか社)がある。

                      ◇

■フォルモサ 台湾の別称。16世紀、ポルトガル船が台湾を見つけ、船員たちが「イラ
(島)
 フォルモサ(美しい)」と叫んだことが名前の由来とされる。

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