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私の奥の細道 李登輝(5)靖国参拝−周到な調整 念願果たす

6月9日、皇太子殿下ご成婚記念日の佳日、李登輝前総統は総統退任後、3度目となる日
本訪問の旅「学術・文化交流と『奥の細道』探訪の旅」を終えて帰台された。

 6月12日から、李前総統の全行程に同行取材した産経新聞の長谷川周人・台北支局長が、
李氏が発信したメッセージは何だったかを探るべく「私の奥の細道 李登輝」と題する
レポートを同紙に連載し始めた。下記にご紹介したい。本日は第5回目、最終回である。

 ちなみに、「私の奥の細道」というタイトルは、李前総統が今回の旅の目的について
「芭蕉の『奥の細道』を歩いて、日本文化とはなにかを、『私の奥の細道』と題して世
界に紹介したい」と発言されたことに由来している。

 なお、今朝の記事冒頭で「台湾団結連盟が主催する春節(旧正月)祝賀宴」とあるが、
これは昨年2月11日、台湾・李登輝之友会(黄崑虎総会長)が主催して国賓大飯店で開催
した春節(旧正月)祝賀宴の誤り。本会が実施した「第1回烏来と天燈の里ツアー」一
行24名がこの春節祝賀宴に招待された。詳細は、本誌平成18年2月18日発行の第276号を
参照してください。                         (編集部)


私の奥の細道 李登輝(5)靖国参拝−周到な調整 念願果たす
【6月16日 産経新聞】

 昨年2月中旬、台北市内の高級ホテルで、李登輝前台湾総統が後ろ盾となるが開かれ
ていた。台湾団結連盟が主催する春節(旧正月)祝賀宴が開かれていた。会場では英国
留学から戻った李氏の孫娘、李坤儀さん(27)が世界的なヒット曲、「ケ・セラ・セラ」
などを熱唱。伸びやかな歌声に李夫妻は目を細め、台湾メディアの関心も彼女に集中した。

 華やかな雰囲気の中、寡黙なひとりの日本人がVIPテーブルに座っていた。小柄な
この男性は李氏の正面に座り、背後に陣取る報道陣からは死角に入る。ほとんど誰も気
付かなかったが、男性は靖国神社の宮司、南部利昭氏だった。非公式訪台した南部氏は
実は、祝宴前にホテル内の密室で李氏と「私的雑談」(関係者)を交わしていた。

 「靖国には行きますか?」。今回の訪日直前、曾文惠夫人が私邸で李氏に尋ねた。李
氏の亡兄、李登欽氏が「岩里武則」の日本名で合祀(ごうし)される靖国神社への参拝
実現は、李一家にとり一大事である。「兄の遺髪もなければ、遺骨も遺灰もない。位牌
(いはい)は靖国神社にのみ残されている」。李氏は参拝30分前の緊急会見でこう述べ
たが、靖国行きは唐突なものではなく、靖国側との調整も1年前から始まっていたのだ。

 日本政府関係者によれば、李氏は5月30日の東京到着後、靖国側から「私的参拝は大
歓迎」との「最終判断」を得た。だが、東北旅行を前に参拝すれば、政治問題化して後
半の日程に支障も出かねない。一方で、「中国に反論のすきを与えない離日直前が理想
だが、やり逃げ的な印象も残したくない」(李氏の同行筋)。参拝日時をめぐる調整は
慎重を要した。

 参拝前日の6月6日、李氏サイドは日本の警察当局に「警備要請」を出した。ドイツ
での主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)に出席中の安倍晋三首相にも、外務
省経由で電話による事前通告を行った。8日には日中首脳会談が予定されており、「日
本に迷惑はかけたくない」と言う李氏と、日本当局は水面下で連携を図っていた。

 参拝は、時間をかけた周到な準備と配慮の末に日の目を見たのである。

 さて、靖国に合祀される約2万8000人の台湾人英霊への参拝という李氏のもうひとつ
の悲願は今回、成ったのか。「奥の細道」をたどる旅も、日光東照宮(栃木県)で締め
くくられ、新潟以西は今後に先送りされた。

 李氏は今年84歳。「余った時間は台湾にささげて奮闘する」という決意に、再訪日、
さらには訪米をも視野に台湾の将来に新たな道筋を付けようとする執念がにじんだ。
(長谷川周人)
                                    =おわり

写真:岩手県平泉町にある中尊寺の金色堂を訪れた李登輝前総統
写真:靖国神社から提供された李前総統の兄の遺影


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