世界の平和を脅かす中国の「反国家分裂法」

世界の平和を脅かす中国の「反国家分裂法」
日本人が毅然とした姿勢を示すのはまさに今

メールマガジン「日台共栄」編集長 柚原正敬

 中国は来る3月5日から開く予定の第10期全国人民代表大会(全人代)第3回
会議において、台湾の分裂阻止と統一推進を趣旨とする「反国家分裂法」を正式
に採択しようとしている。この法案はすでに昨年の12月29日の全人代常務委員会
で可決されているので、成立は時間の問題となっている。
 法案の内容は詳らかではないものの、報道によれば、台湾が新憲法を制定する
などの「分裂活動」を起こしたら、中国側が武力行使する場合の法的根拠になる
という。
 なんとも面妖な話である。1949年に成立した中華人民共和国が台湾を治めたこ
とは、一度もない。寸秒たりとも治めていない。それでいて中国はその憲法で、
台湾を「中華人民共和国の神聖な領土の一部」と規定している。
 この憲法を根拠として、日本との国交回復の際も台湾を中国の領土と認めよと
迫ったのだが、日本は受け入れなかった。それ故「日中共同宣言」には、中国の
言い分は「十分理解し、尊重する」と記されていて、日本が受け入れなかったの
は周知のことだ。今度もまた、その憲法を根拠に新しい法律「反国家分裂法」を
制定しようとしている。
 その点で、中国・台湾問題を今世紀最大の問題と認識しているアメリカと日本
が、先の日米安保協議委員会において、日米が中国との協力関係を発展させ、地
域の安定と平和に建設的な役割を果たさせることで、中国に台湾海峡問題の平和
的解決を求める方針を「共通戦略目標」に盛り込んだことは自然な流れであった。
 ところが、中国政府はこの日米の合意に「断固反対」を表明し、人民日報など
も「台湾問題は中国の核心の国家利益であり、いかなる圧力にも屈しない」など
と強調はしてみたものの、なぜか日本に特使を派遣してまで「反国家分裂法」に
対する理解を求めてきている。国内法を制定するのに、日本に理解を求めて特使
を派遣するなどという中国のこの対応は、まさに異例のことといってよい。
 しかし、町村外相は毅然として「強い関心を持っており、両岸関係への影響を
懸念している」と突っぱねたのである。
 中国は領海法で勝手に尖閣諸島を自国領に組み入れてしまう国柄である。しか
し、ODAや天然ガス採掘問題、あるいは日米同盟の強化など、日本が毅然とし
た対応を見せはじめた。
 台湾に関して言えば、例えば、交流協会台北事務所は一昨年の12月12日に日本
のナショナル・デーとして、断行後初めて天皇誕生日を祝う祝賀会を開催した。
 これは、在外公館の年に一度の最大行事として位置づけられ、その国の要人数
百名を招いて開く祝賀行事である。日本の場合は天皇誕生日が当てられていて、
それを台湾でも開いたのである。もちろん、中国は猛反発した。しかし、交流協
会台北事務所は昨年も12月12日に開催し、日本独自の姿勢を示したのであった。
 このような日本の姿勢が功を奏し、この「反国家分裂法」では膝を屈して理解
を求めてきたのかもしれない。そうだとすれば、石油ルートやシーレーンの確保
という日本の安全保障上などの必要性もさることながら、中国が台湾を併呑する
ことによって南シナ海をも制覇し、日本およびアジアひいては世界の平和と秩序
を脅かすことにならないよう、日本は反国家分裂法の制定に対して反対の声を明
らかにすべきであろう。
 すでにアメリカも日本も、この法案の成立に強い懸念を表明している。日本の
身近に、親日的で経済力をもち、民主主義を推し進める台湾が存在している重要
性は、もっともっと声高に叫ばれてよい。友邦台湾のためにも、日本政府および
日本人が毅然とした姿勢を示すのはまさに今なのである。

 来る2月28日、東京では昨年に引き続き台湾正名運動として「反併呑! 2・2
8台湾の防衛と正名アピール行進」が行われる。
 この日、台湾でも昨年の「228手護台湾運動」に引き続き、李登輝前総統が
呼びかけ人となって「反併呑・護台湾」をスローガンとした活動が全土で展開さ
れる。日本でもそれに呼応して行われる。日台共栄を切に願う方々のご参加をお
願いしたい。

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