宣戦布告まがいの脅迫文「反国家分裂法」全文の日本語訳

非平和的方式=武力行使とそれに伴う必要なあらゆる手段をとると恫喝

【3月20日付 メールマガジン「台湾の声」より】

 中国外交部のスポークスマンが「原文を読んだ人ならば、この法律の趣旨、目
標そして核心部分の内容を十分に理解できるはずだ」と発言したとの報道を見て
、それも一理あると思い原文を全て読んで見ました。
 なるほど、原文を読んでみると、日本で報じられているより更に深刻な内容で
あることがわかりました。
 この法律では、台湾が十数年も前に放棄した「中国内戦」を勝手に続いている
ことにし、台湾人を「中国人民」扱いし、話し合いに応じなければ、非平和的方
式=武力行使とそれに伴う必要なあらゆる手段をとると恫喝しています。
 「この法律の趣旨、目標そして核心部分の内容」が、国内法にみせかけた台湾
に対する宣戦布告まがいの脅迫であることが「十分に理解」できました。
 我々もこの法律の詳細を知っておいたほうがいいと思い、全文を訳しました。
資料としてご覧ください。また、訳文の部分は自由にコピーして、この法律がい
かにバカげたものであるか広く知らしめてください。       (芝山志)


反分裂国家法全文(2005年3月14日公布、施行)

第1条
 “台湾独立”分裂勢力による国家の分裂への反対・抑制、祖国平和統一の促進
、台湾海峡地区の平和安定、国家主権と領土の保全維持、中華民族の根本利益の
維持、これらのために、憲法に基づき本法を制定する。

第2条
 世界に中国は唯一つ存在し、大陸と台湾は一つの中国に等しく属する。中国の
主権と領土の分割は許されない。国家主権と領土保全の維持は台湾同胞を含めた
全ての中国人民共同の義務である。
 台湾は中国の一部分であり、国家は“台湾独立”分裂勢力がいかなる名目、い
かなる方式であろうとも、台湾を中国から分裂させることを絶対に許さない。

第3条
 台湾問題は中国内戦が残した問題である。台湾問題を解決し、祖国統一を実現
することは、中国内部の事務であり、いかなる外国勢力の干渉も受けない。

第4条
 祖国統一の大業完成は、台湾同胞も含んだ全ての中国人民の神聖な責務である。

第5条
 一つの中国の原則を堅持は祖国平和統一実現の基礎である。平和な方式で祖国
統一を実現するのが、台湾海峡両岸同胞の根本利益に最も符合する国家は最大の
誠意を以て、最大の努力を尽くし、平和統一を実現する。国家平和統一の後、台
湾は大陸の制度とは異なる高度自治を行える。

第6条
 国家は以下の措置をもって台湾海峡地区の平和安定を維持し、両岸関係を発展
させる。
・両岸の人物往来を呼びかけ、推進し、理解を深め、連絡を強める
・両岸経済の交流と強力を呼びかけ、推進し、直接通信通航通商を行い、両岸経
 済関係を密接にして相互に利益を得る
・両岸の教育、科学技術、文化、衛生、スポーツ交流を呼びかけ推進し、中華文
 化の優秀な伝統を発揚させる
・両岸共同の犯罪撲滅を呼びかけ、推進する
・台湾海峡地区の平和安定によって両岸関係のその他の活動に利があることを呼
 びかけ、推進する
・国家は法に基づき、台湾同胞の権利と利益を保護する

第7条
 国家は台湾海峡両岸の平等な話し合いによって平和統一を実現する。話し合い
には順序や段階を分けてもかまわず、多様な方式で臨機応変であってもよい。台
湾海峡両岸は、以下の事項について話し合いを行う。
・正式に両岸敵対状態を終結させる
・両岸関係発展の計画
・平和統一の順序と配分
・台湾当局の政治地位
・台湾地区の国際的な地位相応の活動空間
・平和統一を実現するために関わるその他全ての問題

第8条
 いかなる名目、いかなる方式であれ、“台湾独立”分裂勢力による、台湾を中
国から分裂させた事実、或いは、台湾を中国から分裂させようとする重大な事変
の発生、或いは、平和統一の可能性の完全な喪失に対して、国家は非平和的方式
及びその他必要な措置をもって、国家の主権と領土を守る。
 前項の規定によって非平和的方式及びその他必要な措置は、国務院、中央軍事
委員会が決定し、実施する。また、直ちに全国人民代表大会常務委員会に報告す
る。

第9条
 本法の規定に照らして非平和的方式及びその他必要な措置を組織し、実施する
時は、国家はできうる最大のことを尽くして、台湾民間人と在台湾外国人の生命
財産の安全、その他正統な権益を守り、損失を減らす。同時に、国家は法に依り
、台湾同胞の中国のその他の地区での権利と利益を保護する。

第10条
 本法は公布日より施行される。

                    【翻訳:芝山志 2005年3月20日】



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