バイデン政権が台湾に最大規模となる6回目の武器供与

バイデン政権が台湾に最大規模となる6回目の武器供与

 米国の国務省は9月2日、ミサイル早期警戒レーダーシステム、地上配備型対艦ミサイル「ハープーン」、空対空ミサイル「サイドワインダー」など総額11億ドル(約1530億円)規模の台湾への武器供与を新たに承認し、議会に通知したと発表した。

 AFPによれば「6億6500万ドル(約930億円)はミサイル早期警戒レーダーシステム、3億5500万ドル(約500億円)は対艦巡航ミサイル「ハープーン(Harpoon)」最大60発に充てられる」という。

 バイデン政権の台湾への武器供与はこれまで5回行っていて、第1回は政権発足半年後の2021年8月4日で、155ミリ自走榴弾砲40輌や弾薬補給車20輌、先進野戦砲兵戦術情報システム1組を供与している。トランプ政権では18億ドルや24億ドル規模にも及んだことがあるが、バイデン政権では6回目にして最大規模となる。

 8月2日のペロシ下院議長に続く米国からの要人訪問は8月だけで5度に及び、加えて8月28日には巡洋艦2隻を台湾海峡の国際水域を通過させている。さらに、バイデン政権では最大規模となる6回目の武器供与を発表し、台湾に軍事的圧力を強める中国に対し、米国が中国の抑止力強化を継続していく姿勢に変わりがないことを示した。

 下記に、今回含めた6回の武器供与の内容を紹介し、台湾の外交部や米国国務省のコメントを紹介している記事をご紹介したい。

◆バイデン政権の台湾への武器供与(2021年8月〜2022年9月)

・1回目:2021年8月4日 155ミリ自走榴弾砲40輌や弾薬補給車20輌、先進野戦砲兵戦術情報システム1組などなどの供与について議会に通 知。

・2回目:2022年2月7日 5年間にわたるミサイル防衛システムの維持、保全、改良を目的とした計画のための軍事関連装置とサービスを供 与することを承認して議会に通知。

・3回目:2022年4月5日 地対空ミサイル「パトリオット」に関する訓練や保守などの技術支援や関連装備の供与を承認して議会に通知。

・4回目:2022年6月8日 中国軍の航空機や船舶による台湾周辺の海域や空域での活動が活発化していることから、軍艦を適切な状態に維 持するのに役立つ艦艇用の部品や関連装備など1億2000万米ドル(約160億6600万円)の供与を承認して議会に通 知。

・5回目:2022年7月15日 戦車や戦闘車両を補修するための整備に関する技術支援と関連装備として、総額1億800万米ドル(約150億円)規 模の供与を承認して議会に通知。

・6回目:2022年9月2日 ミサイル早期警戒レーダーシステム、地上配備型対艦ミサイル「ハープーン」、空対空ミサイル「サイドワイン ダー」など総額11億ドル(約1530億円)規模の供与を承認して議会に通知。

—————————————————————————————–米、台湾に1500億円の武器売却へ ペロシ氏訪問後初【日本経済新聞:2022年9月3日】https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN030HS0T00C22A9000000/

【ワシントン=坂口幸裕、台北=中村裕】米政府は2日、総額11億ドル(1500億円)相当の台湾への武器売却を決め、米議会に通知したと発表した。対艦ミサイルや空対空ミサイル、早期警戒レーダーなどが対象になる。8月上旬のペロシ米下院議長の訪台を受けて軍事圧力を強める中国に対する抑止力強化を継続していく方針を示す狙いだ。

 地上配備型対艦ミサイル「ハープーン」を60発、空対空ミサイル「サイドワインダー」を100発それぞれ売却する方針だ。早期警戒レーダーも含める計画で、台湾の意向を踏まえて防衛力の増強を支える。米国が台湾の防衛能力向上を支援すると定める台湾関係法に沿った措置になる。

 台湾の外交部(外務省)は3日「大いに歓迎し、感謝する」とのコメントを発表した。「最近の中国の軍事的な挑発や一方的な現状変更に対し、台湾の自衛への決意は疑う余地もないほど強い」とも述べた。

 米国務省の報道担当者は「台湾関係法に基づき、米国は台湾が十分な自衛力を維持するために必要な防衛装備品を提供する」と強調。2010年以降に実施した台湾への武器売却は350億ドル以上になるとも説明した。

 米国防総省傘下の国防安全保障協力局は声明で「今回の売却により、地域の政治的安定、軍事均衡、経済発展の維持にも寄与し、現在および将来の脅威に台湾の対処能力の向上につながる」と明記。一方「この地域の基本的な軍事バランスは変わらない」とも指摘した。

 中国軍はペロシ氏の台湾訪問に猛反発し、台湾周辺で大規模な軍事演習を実施した。バイデン政権は中国による現状変更を試すような動きを認めない方針で、これからも武器売却を続ける姿勢を明確にする。米議会は超党派で台湾を支援する方針を示している。

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