台湾の声編集部 多田恵 2017年12月19日
1.黄国昌立法委員のリコール選挙結果
16日に新北市第12選挙区で行われた黄国昌立法委員のリコール選挙は、成立しなかった。投票率は、27.75%であった。リコールを求めていた人々が特定の一部の人々であることが示された。
これを受け、公職人員選挙罷免法92条により、黄国昌立法委員に対して、残りの任期において、再びリコールの提案を行うことが出来なくなった。残りの任期を全うすることが保障された形だ。
投票結果としては、罷免への賛成票(48,693票)が反対票(21,748票)を上回ったが、同法90条では、賛成票が反対票より多いのみならず、有権者数の4分の1以上に達している場合(今回の場合は63,888票)にのみ、リコールが成立すると定めている。
考えてみれば、リコール案に賛成でない人は、そもそも投票する必要性を感じないわけである。この「4分の1」規定の存在意義があらためて評価される機会となった。
2.公民投票法修正案可決
12日に台湾の国民投票(公民投票)の修正案が立法院で可決された。
有権者の年齢を20歳から18歳に引き下げ、不在者投票制度の導入も盛り込まれている。
現行法では、公民投票の実施のために、テーマによっては、実施のために、直近の総統副総統選挙の有権者数(2016年のそれは約1878万3千人)の100分の5以上の署名が必要で、同有権者数の「2分の1」以上の投票総数かつ賛成が有効投票の過半数である場合に成立すると定めているが、それぞれ、「100分の1.5」、「4分の1」、「賛成票が相対的に多数」に改正される。
3.時代力量が公民投票のテーマについてアンケートを実施
公民投票法修正案の可決を受け、「時代力量」は、公民投票のテーマについての優先順位を問うオンラインアンケートを行っている。期間は台湾時間18日午前8時から21日午後6時まで。
URL:
https://www.newpowerparty.tw/referendum
このアンケートで提示されているテーマ案は、台湾の「主権」に関わる4つと「労働権」に関わる2つである。
前者には、台湾新憲法の制定、2020年東京オリンピックに台湾名義で参加するべきかどうか、領土を「台湾・澎湖・金門・馬祖および付属する島嶼」と明確に定めるべき、パスポートから「Republic
of
China」という英文を削除することを求めるものがあり、後者には、立法院に対し国定休日法を定め毎年19日間以上の国定休暇を保障することを求めるものと、同じく最低賃金法を定め、労働者とその扶養を受ける親族の基本的な生活を保障するよう求めるものがある。
4.欧州議会は台湾の国際組織への参加を支持
欧州議会は13日、フランスのストラスブールで、「共通外交・安全保障政策」年次実施報告書を採択した。その中で「台湾の国際組織やその活動への有意義な参加を支持することを重ねて表明する」という立場を示した。
5.中国軍機の行動を受けて台湾の国防当局の反応
昨日も中国軍機がバシー海峡を通って西太平洋に向かい、宮古水道を経由して基地に戻った。中国軍機が台湾付近に飛来するのは、中国共産党全国代表大会後、9回になった。
これを受けて、台湾の国防部は今日、規定に基づいて、武装して対応すること、および、台湾側の訓練および情報収集の機会にもなっていることを明らかにした。
また、馮世寛・国防部長は、中国軍機飛来への対応として、立法院を欠席して、「衡山指揮所」(作戦指揮センター)入りし、状況把握に努めている。
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