【中国ガン・後書き】自然科学の観点から中国を理解する

中国ガン・後書き】自然科学の観点から中国を理解する

中国ガン・台湾人医師の処方箋」より(林 建良著、並木書房出版)

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二〇〇六年に『日本よ、こんな中国とつきあえるか?─台湾人医師の直言』を上梓した時、「過激なタイトルだ」「物騒な本だ」などの批判が少なからずあった。平和志向の日本人にとっては刺激の強すぎるテーマだったらしい。

その後、中国発の毒餃子事件や度重なる尖閣諸島海域の領海侵犯などもあって、日本人の中国を見る目は二〇〇六年当時よりも厳しくなった。それでも日本人は他人の悪い部分を見ようとしない傾向があるため、中国の真実に目を背けたがる。

相手の醜悪な面を見ないのは日本人の善良な国民性であるが、その善良な部分が時に自分を窮地に立たせることもある。ウサギがオオカミを「自分を守ってくれる忠実な番犬だ」と考えたとするなら、その末路は言わずとも明白だ。

隣国で大国の中国の行方が日本を左右することは自明の理なのだ。だからこそ、中国の真実の姿を探求することは、日本の運命に関わる重要な課題になる。

中国を理解するというのは、その本質を自然科学の観点から探求しなければ、核心を突くことは難しい。日本では自然科学的な発想で政治を分析したりすることは少ないのだが、政治を含めた人間のすべての行為は自然の摂理から離れることはできない。

医者である後藤新平は「生物学的原理」に基づいて台湾統治を行った。彼はまずヒラメを鯛にすることはできないという生物学的違いを認め、台湾人と日本人の違いをしっかり理解した上で統治の方針を決めると、それを実行したのである。

彼が作った制度やインフラは百年以上経った今も、台湾で生きている。彼の医者として訓練はこうした政治の場でも役立てられた。台湾統治と同じように、中国を観察する場合にも生物学的観点は欠かせない。

私は、東大の恩師である岡芳知先生から研究や科学的な分析を学び、「権威に負けるな」「自分のデータを信じろ」「真実は何より強い」と教えを叩き込まれた。

その私は結局、研究者としての道を歩まず、田舎医者と建国運動の道を選んだ。医学研究の脱走兵ともいうべき私だが、今や岡先生の教えを胸に中国を観察している。その観察法を生かして今回の単行本は作られた。私の本が日本のためになればと願いつつ、岡先生への恩返しにしたい。

この本の完成にあたり、友人であり仕事上のパートナーでもある片野薬局の片野茂昌社長にはお礼を言わなければならない。片野社長の暖かい励ましが私の精神的支えとなって、この単行本を完成させる原動力になった。さらに、私へ助言をしてくれたりデータをチェックしてくれた長年の同志である柚原正敬・日本李登輝友の会事務局長の尽力がなければ、この本を完成することはできなかった。柚原さん、ありがとう。

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