【中国ガン・終】生物学的観点から見る中国問題

中国ガン・終】生物学的観点から見る中国問題

中国ガン・台湾人医師の処方箋」より(林 建良著、並木書房出版)

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中国はチャンスなのかリスクなのか、この議論はいまだに白熱している。
それは、ガンは良いものなのか悪いものなのかと言っているに等しいのだが、ガンが体に良いと主張しようものならまず間違いなく笑い者とされるのに、中国を世界経済の救世主だと主張する政治家や学者たちは山ほどいる。

なぜいまだに、中国をチャンスとする政治家や学者が存在しているのか。それは彼らの目が短期的利益に奪われて、中国の本質が見えなくなっているからではない。彼らが中国問題を論じるときに「中国人の本能」という生物学的観点で検証していないからだ。生物学的観点で中国をみると、中国がガンであることはよくわかるのだが、まさかと思う日本人は多いだろう。

かつてのナチスドイツの勃興と、それによってもたらされた世界規模の災難を考えてもらいたい。政治力、経済力、軍事力ともに強大になっている中国を「ガン細胞」に譬えるなら容易に想像ができるはずだ。

中国のことを冷徹に検証してみると、その性質はガン細胞と同様な性質を持つことがわかる。

さらに、中国ガンも他のガンと同様、遠隔転移する。ガン細胞は移民、留学、投資、密入国などのルートで世界中に散らばっている。転移先の国々ではさまざまな問題を起こし、その国の社会や文化まで変質させてしまうのだ。それもガン特有の現象である。

ところが、中国人自身もまた中国ガンによって苦しめられているという皮肉な現象も起こっている。ガン細胞は自分の生きる基盤までも破壊し尽くす。中国ガン細胞の増殖によって、中国の大地が汚染され、砂漠化も進んでいる。その結果、中国で名誉、権力、富を一身に集める高官たちが競って外国へ逃げ出し、外国人になろうとしている。

中国がガンでなければ、このような異常な現象はまず起こらない。国の舵を取る高官自身がその国の進路を信用していないのだから、まさに末期ガンの様相そのものといえよう。
どうして四千年もの歴史を誇る、賢いはずの中国人が自分で中国ガンを治せないのか。これはまぎれもなくガン細胞の宿命であり、ガン細胞それ自身が抱いているジレンマなのだ。

正常な細胞であれば、アポトーシスという自己犠牲の生命法則に従って、生体全体の均衡を保つために自ら死ぬのだが、そもそも死なないから問題になっているガン細胞には、自己犠牲の精神などまったく持ち合わせていない。

ガン細胞は無限大に拡張しようとする。恐らくガン細胞自身も無限大に拡張していけば、いずれは自らを死に至らせることを頭では理解しているのだろうが、掠奪や拡張の本能には勝てないらしい。

こうしたガン細胞が持つ「本能」を理解しなければ、ガンの退治などできはしない。
ガンの最善の治療は完全に切除することだ。しかし、中国ガンは完全には切除できないほど巨大化し、世界の隅々まで転移している。今や残されている唯一の治療手段は、中国ガンを無害化することだ。

どうやって無害化するかと言えば、中国の巨大ガン細胞の塊を分割してお互いに牽制し合うように仕向ける方法だ。中国政府に民主化を要求し、中国内部の民主化運動を応援するだけで、中国の分割に繋がるのだ。そもそも統一されている時代よりもバラバラになっている時代の方が長いのだから、中国の分割を難しく考える必要はない。

人間の体の中には、生体防御としてガン細胞を退治する「NKリンパ球」という免疫機能が存在している。現在はガンの治療にこのNKリンパ球を活性化してガン細胞を退治する研究も進んでいる。中国ガンに対しても、中国内外に存在する免疫機能を活性化させるのである。

実は、中国の内部にもあらゆるNKリンパ球が存在している。それは良識あるマスコミ関係者であり、人権活動家であり、法輪功のメンバーであり、天安門事件の犠牲者の家族だ。それプラス海外の支援勢力である。

いくら中国が独裁国家だとはいえ、民主自由、人権尊重を強く要求していけば、動揺しないはずがなく、それと同時に、中国の民主化運動に民主国家である日本と台湾が国を挙げて支援しなければならないだろう。

そのためにまず日本は、「中国を刺激するな」という強迫観念を捨てなければならない。「泥棒を刺激するな」と言って戸締りを怠るのは、ただ泥棒を喜ばせるばかりではなく、自分も被害者になるのである。中国ガンに対して、この歪んだ心理を捨てられなければ退治などできるわけもない。

中国ガンを退治するために日本自身が健康にならなければならないのだ。しかし、今の日本が健康と言えるかははなはだ疑問だ。

日本は自由と民主主義と人権を何より大切にしている国である。そうでありながら、独裁国家中国の民主化や人権問題について日本人は触れたがらない。あまつさえ全体主義の中国を賛美し、支援しているのが日本のリベラル派だ。人権にうるさいはずのリベラル派が、独裁国家の肩をもつなどというのはとてつもなく奇怪な光景である。このような思想的錯乱が、日本社会で怪しまれることなく当たり前のように平然と存在していることも、日本病の一つだといえよう。

それでも日本は、アジアで唯一中国と対抗できるまっとうな国なのだ。優等生国家日本は「ブラックジャック」という型破りな医者を創り出した。

実はこの「ブラックジャック」、全集が今でも日本の優等生の象徴である東大の医学図書館の一階に収蔵されている。私はそれが官僚や研究者を輩出する東大の静かな反抗ではないかと勝手に解釈している。もしそうであれば、日本はいずれ旧習を打破して新しい時代を切り開く冒険心を取り戻すのではないだろうか。

中国ガンの退治には、ブラックジャックのような医者が持つ既成観念に囚われない発想、そして日本の覚悟にかかっている。

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