中国公文書に「尖閣は沖縄の一部」―時事通信の報道に外交部は狼狽!

中国公文書に「尖閣は沖縄の一部」―時事通信の報道に外交部は狼狽!

 メルマガ版「台湾は日本の生命線!」より転載

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■発見された外交文書―尖閣の沖縄帰属を認めていた

時事通信によれば、中国政府が一九五〇年、「尖閣諸島」という日本名を明記した上で、琉球(沖縄)に含まれるとの認識を示す外交文書を作成していたことが十二月二十七日に分かった。

それによると、

―――「琉球の一部」と認識していたことを示す中国政府の文書が発見されたのは初めて。

―――この外交文書は「対日和約(対日講和条約)における領土部分の問題と主張に関する要綱草案」(領土草案、計10ページ)。中華人民共和国成立の翌年に当たる50年5月15日に作成され、北京の中国外務省档案館(外交史料館)に収蔵されている。

――― 領土草案の「琉球の返還問題」の項目には、戦前から日本側の文書で尖閣諸島とほぼ同義に使われてきた「尖頭諸嶼」という日本名が登場。

―――「琉球は北中南の三つに分かれ、中部は沖縄諸島、南部は宮古諸島と八重山諸島(尖頭諸嶼)」と説明し、尖閣諸島を琉球の一部として論じている。

■完全崩壊する「台湾の一部」なる主張

―――中国が尖閣諸島を呼ぶ際に古く から用いてきたとする「釣魚島」の名称は一切使われていなかった。

―――続いて「琉球の境界画定問題」の項目で「尖閣諸島」という言葉を明記し、「尖閣諸島を台湾に組み込むべきかどうか検討の必要がある」と記している。これは中国政府が、尖閣は「台湾の一部」という主張をまだ展開せず、少なくとも50 年の段階で琉球の一部と考えていた証拠と言える。

―――中国政府は当時、第2次世界大戦後の対日講和条約に関する国際会議参加を検討しており、中国外務省は50年5月、対日問題での立場・主張を議論する内部討論会を開催した。領土草案はそのたたき台として提示されたとみられる。

―――領土草案の文書は現在非公開扱い。中国側の主張と矛盾しているためとの見方が強い。

中国政府が「初めて尖閣諸島の領有権を公式に主張したのは71年12月。それ以降、中国政府は尖閣諸島が『古来より台湾の付属島しょ』であり、日本の敗戦を受けて中国に返還すべき領土に含まれるとの主張を繰り返している」が、東京大学大学院の松田康博教授(東アジア国際政治)は「『釣魚島』が台湾の一部であるという中華人民共和国の長年の主張の論理は完全に崩れた」と解説しているという。

■中国の対応が証明する時事の報道の正しさ

それではこの時事の報道に、中国政府はどのような反応を見せたのだろうか。

台湾のニュースサイト「ETtoday東森新聞雲」によると、中国駐日本大使館の楊宇報道官は、「報道される記事を直接見たことはない。たとえそれが存在しても、中国政府の一貫した立場を変えることはできない」と述べた。中国政府が領有権を公式に主張したのは「七一年十二月以降」のこととの報道に対しても「全く根拠がない」と言い切った。

「全く根拠はない」とは抗弁するが、他ならぬこの文書こそが、重要な根拠の一つなのだ。大使館は報道に、そうとう狼狽したものと思われる。

NHKによると、中国外交部の華春瑩報道官も二十七日の定例会見で、「報道の状況がよく分からない」と述べる一方、「中国の島に対する主権は歴史的にも法的にも十分な証拠がある」と反論したという。

しかしこれが「反論」と言えるだろうか。

「報道の状況がよく分からない」とも発言したわけだが、これほどのビッグニュースを「分からない」とするのは、明らかなる逃げだ。

そこでそのコメントを確認するため、新華社による記者会見の詳報を調べると、「時事報道」問題に関するコメントには全く触れられていなかった。

次いで新華社がニュースソースとした外交部ホームページを見たところ、そもそもそこで、すべて削除されていた。

自身に不利な事柄を隠蔽するのが中国の宣伝工作の基本だが、よほど都合が悪かったのだろう。

こうした中国政府の対応も、時事の報道が真実であることを証明するのである。

ちなみにあの国の御用メディアも報道を控えているようだ。

一方同じく尖閣諸島の領有を主張する台湾では、中央通訊社が時事の報道内容を正確に配信した。親中メディアの中国時報は「それは中華人民共和国の公文書。中華民国とは関係ない」とし、中国の宣伝に呼応する日本の中国専門家の主張を大きく取り上げた。

■求められるのは日本側の宣伝努力

「日本政府の尖閣国有化で緊張が高まる日中間の対立に一石を投じるのは確実だ」と報じる時事だが、本当にそうなるかどうかは日本側の努力次第だ。

すでに中国政府は頬被りをしているのだから、日本政府はこの文書の存在を執拗に強調し、領有権の主張撤回を要求し続けるなど追い打ちをかけるとともに、国際社会に向けて「中国の長年の主張の論理は完全に崩れた」「この事実の前で中国は手も足も出ない」との大々的な宣伝を展開すればいい。

中国は十四日、国連の大陸棚委員会に大陸棚の延伸を求める申請を行い、自国の大陸棚が尖閣諸島を含む沖縄トラフまで広がっていると主張した。そこで政府は二十九日になり、中国の申請を検討しないよう同委員会に求めたのだが、このような時などは宣伝の好機だろう。

いやむしろこうした宣伝はTPOに関係なく、そして日本の慎ましやかな民族性をも捨て、強力に行った方がいい。

なぜなら中国はいつもそのようにやっている。


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