2009.4.1
「台湾の声」
第2回世界仏教フォーラムが3月28日と29日に、中華人民共和国(中国)江蘇
省無錫で開催され、世界各国の仏教界から約1700名が出席した。同フォーラムは
3月31日と4月1日に台北で同フォーラム後半および閉会式を行うため、3月30
日に両岸チャーター便を利用して南京から台湾の台北へ移動した。
無錫で開かれた同フォーラムの中で、台湾仏光山の星雲法師は「あなたが来て
、私が行って、行ったり来たり、誰が来て誰が行ったかわからなくなって、そう
して統一する。」、「誰が台湾か誰が大陸かわからなくなって、そうして一つの
家族は統一する。」、「両岸は本来、手足一体である。台湾には台湾人はいない
。台湾の誰が中国人でないというのか」などと中国統一を呼びかける持論を展開
した。
同フォーラムはチベット仏教の指導者であるダライ・ラマ14世が招かれなかっ
たが、これに関して星雲法師は、「ダライ・ラマが『一つの中国』に向き合い、
自己が中国人であることを忘れなければ、中国も彼を受け入れるだろう」と語っ
た。
このほか、新華社の報道によると、中国側スポークスマンの明生法師は、ダラ
イ・ラマに対してチベット独立の主張を放棄することを要求し、「チベットは中
国の不可分の一部である」「中華人民共和国政府は中国唯一の合法政府である」
ことを承認すれば主催者側がダライ・ラマを同フォーラムに招待することを考慮
できるとの考えを語った。
さらに30日に来台した葉小文・中国宗教局長は、圓山大飯店で開かれたパーテ
ィーで、「世界は切り離せない。両岸も切り離せない」と語った。
星雲法師らの発言に対し、台湾野党の民主進歩党の趙天麟・青年部主任は「中
国が仏教を弾圧している事実を見ようとせず、チベット人の傷に塩を塗るような
ものだ。自由民主の台湾で仏教の総会が開催されるさいにチベット仏教の指導者
のダライ・ラマだけが欠けているのは大変遺憾なことだ」と批判した。