2009.3.7
「台湾の声」
夕刊紙「玉山午報」を創刊する準備を進めている呂秀蓮・前副総統(前副大統
領)が、中国(中華人民共和国)を訪問する意向を示したことについて、中国側
が呂秀蓮氏の訪中を「玉山午報社長」の肩書きで歓迎するという情報が台湾メデ
ィアを通じて伝えられた。
これに関して、呂前副総統が所属する民主進歩党(民進党)からは、副総統経
験者が訪中することへの慎重論が続出し、さらに民間団体の台湾南社は呂前副総
統が訪中すれば玉山午報の資金集めをボイコットすると警告した。
これに対し、呂前副総統は「玉山午報社長」の肩書きでの訪中について、「『
玉山午報』の会社が4月1日に設立されるので、今後役員会議の意見を尊重した
い」とする一方で、「忘れてはならないのは、私は自由の身だということだ」と
、一私人であることを強調した。
呂前副総統は、「1990年に中国に行ったことがある。当時も自由な身で、いわ
ゆる台湾独立分子であったが、中国へ行った後、私の台湾に対する立場は変わら
なかった」、「玉山午報は新しいメディアであり、両岸関係に対しても新しい見
方、時代の変化、広い視野が必要である。中国は世界の一部であり、中国と台湾
の関係は複雑に錯綜しており、門を閉めるのではなく、注意しながら対応すべき
だ。新政府の一方的な接触だけでなく、野党も監督の責任を果たすため、適当に
理解しておくべきだ」、「台湾と中国は、『遠い親戚、近くの隣人』の関係であ
り、平和共存すべき。妥協や屈服するのではなく、両岸は対等な関係であり、両
岸関係を改善し正常化すべきだ」など、持論を語り、中国との対等な交流に意欲
を示した。
呂前副総統の対等な台中交流の呼びかけに中国がどう反応を示すか今後注目さ
れる。