【12月17日 産経新聞「台湾有情」】
ルールすらよく知らない私が、野球観戦で感動するとは予想外だった。今月上旬に中
部の台中で開かれた北京五輪のアジア予選。「星野ジャパン」が強豪の韓国、台湾を下
し、五輪切符を手にしたあの大会のことだ。
2日目、日韓戦を日本が落とせば、台湾が勝ち残る可能性は消える。一糸乱れぬ多勢
の韓国サポーターに対し、無勢の日本人に多くの台湾の人たちが加勢した。
ただ、日本選手のファインプレーに歓喜する彼らの横顔は、ペットボトルを投げつけ
て、罵声(ばせい)を浴びせたどこかの国とは明らかに異質だ。
そして迎えた最終日の日台戦。勝敗は早々に決したが、それでも数千人の台湾人がゲ
ームを最後まで見届け、大量点を取られながらも、一部の人は「ニッポン、ニッポン」
と声援を送り、閉幕式では、「おめでとう」の声までかけ、日本人サポーターに感動を
与えた。
台北から野球仲間と来た左志賢さん(27)はさらっと言う。「台湾野球の源流は日本。
日本が兄貴なら台湾は弟分。試合が終われば、切っても切れない兄弟なんだ」。台湾の
五輪出場の可否は来年3月の最終予選で決まる。「北京できっとまた会おう」。球場か
らの帰路、そう思った。南洋の暖かい夜風に吹かれ、心地よい疲労感に酔いながら。
(長谷川周人)
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