ろ、代表世話人でノンフィクション作家の平野久美子さんから「大変心強いご支援と感謝
しております」と鄭重なメールをいただきました。
平野久美子さんといえば、日台関係にかかわっている方なら知らない人はいないと思わ
れますが、屏東に地下ダムを造った鳥居信平(とりい・のぶへい)を世に知らしめ、奇美
実業創業者の許文龍氏に鳥居の胸像を作るきっかけとなった『水の奇跡を呼んだ男―日本
初の環境型ダムを台湾につくった鳥居信平』(産経新聞出版、2009年)を上梓しています。
台湾に関しては『テレサ・テンが見た夢─華人歌星伝説』(晶文社、1996年)、『中国
茶・アジアの誘惑 台湾銘茶紀行』(ネスコ、1999年)、『台湾好吃大全』(新潮社、
2005年)などの比較的初期の作品もありますが、『トオサンの桜─ 散りゆく台湾の中の日
本』(小学館、2007年)で本会の桜寄贈もご紹介いただいたことが本会とのご縁のきっか
けでした。
その後も、桜寄贈のおりの「台湾・桜植樹式とお花見ツアー」にご参加いただいたり、
鳥居信平の胸像を袋井市に設置する際も何かとお世話になっています。その平野さんが代
表世話人をつとめているのが「日本から台湾の世界遺産登録を応援する会」です。
この会の目的もまた明快です。「ひとつは、日本、そして世界中から署名を集め、ユネ
スコに対して、台湾の世界遺産登録申請を受け付けるよう強く働きかけること。もう一つ
は、ユネスコ世界遺産登録の可否に関わらず、台湾には誇るべき自然資産、文化資産が、
全土津々浦々に広がっていることを世界中に知らしめること」。
6月中に正式発足の予定だそうですので、今後も本誌で活動状況を知らせてゆくつもりで
す。
ここでは、「暫定」事務局長の辛正仁氏が「日本から台湾の世界遺産登録を応援する
会」がどうして誕生したのかについてブログに書かれていましたので、それをご紹介しま
す。写真もたくさん掲載していますので、ぜひブログをご覧ください。
ちなみに、辛正仁という名前を見て気づいた方は相当の台湾通かも。先般、台湾漫遊倶
楽部主催により「片倉佳史のもっと台湾トークライブ」第4弾が開催されましたが、その代
表を務められているのが辛正仁氏です。
◆日本から台湾の世界遺産登録を応援する会
暫定事務局長のブログ「Activity report Vol.1」
http://blogs.yahoo.co.jp/jungleym
昨年秋、自由が丘のとあるティーサロンで『淡淡有情―日本人より日本人の物語』(小
学館ノンフィクション大賞)や『トオサンの桜』の著書でも知られる作家の平野久美子さ
んとお会いしたときに平野さんは「私、台湾の世界遺産候補地について本が書きたい
の・・」と構想を話してくださいました。
その際、生意気にも私は「本だけでなく、もっと、影響力のあることをしましょう!社
会を動かしましょう!」と殆ど反射的に答えてしまいました。それが、このプロジェクト
のはじまりです・・・
ご存知のとおり台湾には世界遺産に登録されても遜色のない文化、自然遺産が多数ある
にも関わらず、国連に加盟していないという理由で現在、唯のひとつも登録されていません。
もともと「世界遺産」は、一国家のものではなく全人類共通の宝であるという考え方に
基づいて設立されたものと理解するものです。
この台湾の世界遺産未登録に纏わる不合理は、台湾の観光誘致チャンスロスといった実
利的問題のみならず、実は、台湾の独立性、国際社会からの正しい理解、承認といった台
湾のアイデンティティに関わる問題をも内包していると感じます。(ただし我々はあらゆ
る政治的活動とは距離をおきます。)
ちょうど、昨年秋。私は、環境音楽コンポーザーの小久保隆さんやフォトグラファーの
西林真さんと共同でPanoark という360°パノラマビューを使ったコンテンツ制作をするJ
Vを立ち上げたばかりでしたので先ずは、これをつかったウェブサイトを公開して台湾の
全土に広がっている世界遺産候補地を広く日本の皆さんに知っていただこうと考えました。
そこで、我々プロジェクトは、正に、手弁当で360°パノラマの台湾ロケを開始したので
す〜
昨年12月は日台の絆の象徴とも言える「烏山頭ダム」をはじめとした台南市のロケを、
今年4月には、これもかつて日本が深く関わった金瓜石鉱山や、楽生療養院、スペイン人が
築いた紅毛城などの新北市のロケを敢行いたしました。
早い段階から我々の活動に興味をもってくださった皆様に、その一部を少しお見せしま
すね〜
◆烏山頭ダム;八田與一記念公園
http://studio-ion.com/d1/yoichi/virtualtour.html
※日本時代に華南平野を緑の大地に変えた歴史土木遺産
360°だと八田與一技師の像が見つめる先にダムがあることが実感できます〜(と言って
も残念ながら撮影日は曇りでよく見えていませんが)
◆紅毛城
http://studio-ion.com/d1/koumoujo/virtualtour.html
※スペインの台湾北部植民地統治の拠点として建造された城
南部を統治したオランダの赤嵌楼やゼーランディア城や安平古堡も既に360°パノラマで
撮影済みです。
今後、我々はこうしたサイト運営だけでなく、出版、イベントやツアーの実施など、
様々な事業を通じて、皆様に台湾の世界遺産候補地についてご理解いただき、署名活動に
参加いただいて、日本の文化庁、ユネスコに働きかけ台湾の世界遺産登録を応援したいと
考えています。(日本と台湾が共同で申請するという可能性がある)
我々の活動はプレオープンにも関わらず、皆様をはじめ多くの方々にご指示いただき激
励のメッセージを頂戴しています。
東京の駐日経済文化代表処、そして、台中の文化資産局を訪問したい際には熱い歓迎を
受け、今後の協力についてお申し出いただきました。
既にロケを行った台南市、新北市では公用車、ドライバーさん、ガイドさんをロケ期間
中、無償でご提供いただきました。
又、台湾の360°パノラマ協会のクリエイターの皆様にも、ご協力いただけることになり
ました。
6月中旬には発起人も整い正式スタートします。
そして、この11月には、東京で「台湾世界遺産候補地の魅力」展(仮称)を開催する予
定です。
このプロジェクトは、今、正に速度を上げながら滑走路を進んでいます。
しかし、これから機首を上げ、離陸し、逆風の中を突き進み、目的地へと着陸するため
には、皆様の強力なるご支援が必要です。是非、正式会員となって、我々の活動にご参加
いただけますようお願い申し上げます。
サイトでの会員募集が始まりましたら又、メールでお知らせいたしますので何卒、よろ
しくお願い申し上げます。
今後の活動報告も含めてお知らせしてまいりますので、以下のサイトからメールアドレ
スをご登録ください。
◆ホームページ
http://www.wh-taiwan.com/
2013年5月吉日
日本から台湾の世界遺産登録を応援する会
事務局長(暫定)辛 正仁