その翌日、本誌で「2020年の東京オリンピックに台湾は『台湾』で参加を!」と提案した
ところ、大きな反響をいただいた。その後も賛同の声を寄せていただいているが、同様の
提案も続出しているようだ。
台湾がオリンピックなどの国際的なスポーツイベントに参加する場合、その名称は「中
華台北(チャイニーズ・タイペイ)」。しかし、世界の国々が台湾出身者の居留証で使用
している名称はほとんどが「台湾」であり、日本が台湾からの来日を認めているパスポー
トの名称は「台湾」だし、昨年7月9日から実施している在留カードや外国人住民基本台帳
でも「台湾」と改めていることから、2020年の東京オリンピックでは、台湾チームは「中
華台北(チャイニーズ・タイペイ)」ではなく、「台湾」という名称で参加できないもの
だろうかと提案した次第だ。
ところで、一昨日(10月14日)、それを後押しするようなことが起こった。
この日、韓国・仁川市内で約120ヵ国・地域が参加して国際機構「世界選挙機関協議会
(A−WEB:Association of World Election Bodie)」の創立総会が開催され、台湾も
創立メンバーとして参加していたが、その加盟名称は「Taiwan,R.O.C.」だという。R.O.C.
とは台湾(中華民国)の英語名「Republic of China」の略称だが、台湾が中国の反対もな
く国際機関に加盟できたこともさることながら、国際機関に台湾が「台湾」の名称で加盟
できたことは異例のことといってよい。中央通信社のニュースを下記に紹介したい。
例えば台湾は1991年11月、アジア太平洋経済協力(APEC)に中華人民共和国や香港
とともに加盟しているが、名称は「中華台北(チャイニーズ・タイペイ)」だった。オリ
ンピックも「中華台北(チャイニーズ・タイペイ)」だ。また、9月にカナダで開催された
国際民間航空機関(ICAO)総会に特別ゲストで招かれたときの名称も「中華台北(チ
ャイニーズ・タイペイ)」だった。このときは中華台北(チャイニーズ・タイペイ)以外
の名称は認められなかった。
一方、台湾は2002年1月1日に世界貿易機関(WTO)に加盟しているが、これは中国が
加盟した2001年12月11日から半月後のことで、その名称は「台湾、澎湖、金門、馬祖個別
関税領域(the Separate Customs Territory of Taiwan, Penghu, Kinmen and Matsu)」
だった。
このように、台湾がたとえ英語の略称「R.O.C.」付きであろうと、国際機関に「台湾」
の名称で加盟することがいかに稀有のことかお分かりいただけるのではないだろうか。
その点で、世界選挙機関協議会に「Taiwan,R.O.C.」の名称で加盟できたことを、東京オ
リンピックに「台湾」の名称での参加を促す例証として記憶にしっかりとどめたい。
台湾、選挙関連の国際機構に加盟 創設メンバーに
【中央通信社:2013年10月15日】
http://japan.cna.com.tw/news/apol/201310150004.aspx
(台北 15日 中央社)世界各国の選挙関連情報や経験の交流などを目的とする国際機構
「世界選挙機関協議会」(A-WEB)が14日、韓国で正式に発足、台湾は「Taiwan,R.O.C.」
の名義で加わり創始メンバーの一員となった。
A-WEBは76カ国・地域の選挙管理機関と24の選挙関連国際機関、合わせて100の会員から
構成されており、(台湾の)中央選挙委員会の張博雅主任委員(=写真中央)はこの日、
韓国中央選挙委員会の招きに応じ、訪問団を率いて仁川市内に開かれた創立総会に参加し
た。
外交部は、アジア選挙当局協会(AAEA)の会員で同協会のホスト国を2回務めた台湾が長
期にわたって民主的な選挙の推進に全力で取り組んできた成果が各国に認められたとして
今回のA-WEB入りに歓迎の意を表明している。
(蔡和穎/編集:荘麗玲)