方、台湾関係者には親台湾派としても知られている。7月22日に衆議院第一議員会館で行われた李
登輝元総統の特別講演会の発起人の一人でもあった。
周知のように、8月14日に発表された安倍晋三総理の「内閣総理大臣談話」では「インドネシ
ア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々」と、
台湾と中国を並列して紹介した。
このことについて長島議員はどのように受け止めたのだろうかといささか気になっていたとこ
ろ、昨8月31日のブログ「長島コラム『乾坤一擲』」で総理談話についての感懐をつづっていた。
野党である民主党所属の長島議員が総理談話を「歴史的な文書」と高評していたことに驚かされ
たが、台湾について「独立の政治主体として明記されたことにも私は感慨を禁じ得ない」とまで述
べていることにはもっと驚かされた。
台湾を「独立の政治主体」と表現することは、まさに核心を衝く発言だ。もちろん安倍総理もそ
の意味で「東南アジアの国々、台湾、韓国、中国」と並列したものと思われる。安倍総理の意を汲
んだ長島議員の党派を超えた勇気ある発言に拍手を送りたい。
戦後70年の総理大臣談話は歴史的な文書
【長島コラム「乾坤一擲」:2015年8月31日】
http://www.nagashima21.net/column/detail/20150831.html
戦後70年の総理大臣談話は、歴史的な文書となるであろう。これまでのいかなる歴史談話よりも
具体的かつ詳細に反省すべき内容、感謝すべき対象(国および国民)を明記した。そして、その反
省に基づいて未来志向の決意を内外に鮮明にした。その上で、歴代政権の歴史認識が今後も揺るぎ
ないことを再確認した。
特徴的なのは、次の三点であろう。
第一に、「国際秩序の挑戦者」という耳慣れないが国際関係論では重要な文言を使って、過去の
反省とともに暗に中国に対する牽制を行っている点。第二に、謝罪外交に終止符を打った点。第三
に、全体として英文調だということ。特に、後半部分の4段落連続で「この胸に刻み続けます」
(We will engrave in our heart the past)に始まるくだりは、英文が先にあったような感覚に
陥る。いずれにせよ、世界に向けて発信することを念頭に置いて作成されたということであろう。
それでもなお少々不満が残ったのは、大正から昭和にかけての我が国が国際秩序の挑戦者になっ
てしまった原因を世界恐慌後のブロック経済化に求めている書きぶり。まるで外的要因にその非を
転嫁しているように読めてしまい、二大政党の在り方、世論の激情、軍部の下克上など、内在的要
因への省察が足りないように感じられた。
最後に一点、今回の談話に「台湾」が独立の政治主体として明記されたことにも私は感慨を禁じ
得ない。
かくなる上で大事なことは、今後何世代にもわたってこの談話に込められた反省と感謝を受け継
ぎ、言葉ではなく行動で我が国の誠意と精誠を尽くして行くことだと思う。私も日本国民の一人と
して、国政を預かる政治家として、歴史に対する責任を果たして行きたい。
内閣総理大臣談話 全文(首相官邸HPより)
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/discource/20150814danwa.html