バイデン大統領が「緊急時大統領在庫引き出し権限」を行使し台湾へ軍事支援

米国のバイデン大統領は9月30日、議会の承認なしに物資を提供できる「緊急時大統領在庫引き出し権限」(Presidential. Drawdown Authority/PDA)を行使し、台湾に5億6700万ドル(日本円で約817億円)の軍事支援を行うと発表した。

米国はウクライナへの軍事支援でも素早く兵器を送ることができるPDAを使っている。

バイデン大統領は昨年7月29日、台湾への軍事支援で初めてPDAを行使することを連邦議会に通知し、台湾に3億4500万ドル(約498億円)規模の軍事支援を行うことを発表したが、このときも具体的な支援内容を明らかにしなかった。

今回も米国務省は軍事援助の詳細について発表していない。

台湾の報道では「アメリカ軍の『ディフェンスニュース(Defense News)』は9月20日、アメリカ高官の話として報じたところによりますと、今回の軍事援助は、訓練、在庫、対装甲武器、防空、そしてマルチドメイン作戦のために資金が充てられる予定で、リストには非対称戦力の鍵となる無人航空機も含まれている」(台湾国際放送)と伝えている。

本誌でも伝えたように、バイデン政権は台湾への軍事支援を加速させており、今年に入ってからはそれに拍車がかかったようで2月21日、6月5日、6月18日、9月16日の4回にわたって台湾への武器供与を発表、トランプ政権の11回を上回りすでに16回となっている。

中国の習近平政権は2027年までに台湾侵攻の準備を整えるよう軍部に指示していたとも伝えられている。

中央通信社は「米国防総省は3回目の支援についても検討しており、バイデン大統領は来年1月の任期満了までに実施を計画している」と報じている。


バイデン氏、大統領権限で台湾への軍事支援発表 約820億円 防衛装備品など【中央通信社:2024年10月2日】https://japan.focustaiwan.tw/politics/202410020006

(ワシントン中央社)バイデン米大統領は9月30日、議会の承認なしに物資を提供できる「大統領在庫引き出し権限(PDA)」で台湾に対して最大5億6700万米ドル(約817億円)の軍事支援を行うと発表した。

PDAによる台湾への軍事支援としては過去最高額で、支援内容には防衛装備品や軍事訓練、サービスが含まれる。

PDAによる台湾への軍事支援は昨年7月に続き2回目。

前回は3億4500万ドル(約498億円)規模だった。

ホワイトハウスは今回の支援内容の詳細について明らかにしていない。

米国務省は中央社の取材に対し1日までにメールで回答したが、具体的な内容は明かさなかった。

その上で支援は米国の「一つの中国」政策に合致したものであり、米国の最も重要な目標は変わらず台湾海峡の平和と安定の維持だとした。

米国防関連誌のディフェンスニュースによれば、米国防総省は3回目の支援についても検討しており、バイデン大統領は来年1月の任期満了までに実施を計画している。

米当局関係者からの情報として報じた。

(鍾佑貞、石秀娟/編集:田中宏樹)


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