6月28日、熊本市に本店を置く熊本県屈指と言われる肥後銀行が台北市内に駐在員事務所を開設しました。TSMC(台湾積体電路製造)の熊本進出にあたり、熊本進出を検討する現地の関連企業の情報収集や熊本からの企業進出や農産物輸出も支援するそうです。
ちなみに、日本の64行ある地方銀行で台湾に初めて駐在員事務所を開いたのは、ふくおかフィナンシャルグループの中核銀行として福岡県内を中心に九州全域をカバーしている福岡銀行で、2015年12月でした。以降、秋田銀行、鹿児島銀行と続き、肥後銀行は4行目となります。
・福岡銀行 2015年12月18日 台北市中山区松江路126号 将捷国際商業大楼6F-1・秋田銀行 2016年10月7日 台北市松江区民生東路三段156号 宏泰金融大樓7階・鹿児島銀行 2019年4月8日 台北市信義区松仁路89号1号 交易廣場7階E室・肥後銀行 2023年6月28日 台北市松山区敦化北路170号3階B室
台湾にはこれまででメガバンク3行(みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行)が支店を開設していましたが、取引先企業の台湾進出と事業展開をサポートし、台湾における金融経済・産業情報の収集と提供、そして台湾の金融機関等との関係強化を支援してくれるのが地銀の強みです。
肥後銀行の勇断をたたえ、下記に熊本日日新聞の記事をご紹介します。
—————————————————————————————–肥後銀行、台湾・台北市に事務所開設 TSMCの熊本進出で 関連企業の情報収集など【熊本日日新聞:2023年6月28日】https://kumanichi.com/articles/1091788
肥後銀行(本社・熊本市)は28日、台湾・台北市に駐在員事務所を開設した。台湾積体電路製造(TSMC)の熊本県菊陽町での新工場建設を受け、熊本進出を検討する現地の関連企業の情報収集に当たる。熊本からの企業進出や農産物輸出も支援し、経済交流を加速させたい考え。笠原慶久頭取らが、現地で開所式を開いた。
事務所は台北市の金融街にあるオフィスビルの3階。昨年業務提携した、台湾の中小企業向け融資でトップシェアの玉山銀行の本店にも近い。床面積は約165平方メートルで、会議室と執務室を備える。支店長級の所長と副所長、現地スタッフの3人でスタートし、将来的には増員も検討する。
式典には笠原頭取や本島知明所長らが出席。テープカットして開設を祝った。笠原頭取は「現地のリアルな情報をつかんでいきたい。経済や文化で日台の架け橋となり、熊本ひいては九州全体に良い効果がもたらされるよう努力する」と意気込みを語った。
その後、近くのホテルで県や現地の関係者ら約150人が出席した記念のレセプションもあった。
肥後銀の海外事務所開設は、2004年の中国・上海事務所以来。台湾当局によると、日本の地銀が認可を受け、事務所を設置したのは福岡銀行などに次ぎ4行目。(台北=熊日・馬場正広)
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