【祝】 墨田区、台湾デザイン研究院、千葉大学が連携協定を締結

 10月25日、墨田区、台湾デザイン研究院、千葉大学の三者が「デザインを通じた製品開発・人材交流に関する連携協定」を締結しました。墨田区役所で行われた調印式には、山本亨・墨田区長、張基義・台湾デザイン研究院・院長、千葉大学・渡邉誠・千葉大学理事が臨み、墨田区議会の福田はるみ議長などが立ち会ったそうです。

 東京都の墨田区と国立大学の千葉大学、台湾のデザイン研究院とは、妙といえば妙な取り合わせにも見える。なぜこのような連携協定を結ぶようになったのだろう。

 墨田区はもともと中小企業が多く、ものづくりが盛んなところだったようで、中小企業に対して経営・技術支援する役割を担ってきた「すみだ中小企業センター」もあった。

 このすみだ中小企業センターの建物をそっくり「デザイン・建築・都市・ランドスケープの協働デザイン教育の場」に転換するために改修しようと、2017年3月、墨田区と国立大学法人千葉大学が包括的連携協定を締結。このプロジェクトは、5年後の2021年4月、「千葉大学墨田サテライトキャンパス」として開設されたことで実を結ぶ。

 一方、墨田区は2016年ころから、区内企業による商品の海外販路拡大の一環として、台湾人デザイナーとの新商品開発や、台湾での展示会への出展なども進めてきたという。台湾のデザイナーとのコラボにより、かき氷のある風景をイメージして創作されたがガラス器の「WAYOU(ワヨウ)」や世界初の取っ手がないハンドドリップポットも生まれているそうだ。

 そこで、これまで千葉大学が有する文化デザインや視覚伝達デザインなどの知見を活用した共同研究事業を実施していた墨田区は、地場産業の「ものづくり技術」と台湾の優れたデザイン技術の融合で製品開発や人材交流につなげ、合わせて千葉大と台湾とのデザイン交流もしようということで今回の三者による連携協定の締結となったという。

 墨田区といえば、東京スカイツリーや両国国技館などを思い浮かべるが、「ものづくり」の町でもあり、台湾とのデザインのコラボレーションでなにが飛び出してくるか、大いに期待したい。こういう地に足の着いた台湾との交流は大歓迎だ。

 それにしても、一般紙やタウン誌ではなく、なぜ「スポーツ報知」がこの連携協定についてこれほど詳しく報じているのかも気になった。

 なんと「スポーツ報知」の本社は昨年(2022年)6月、港区港南から墨田区横網1丁目の両国国技館隣へ移転していた。墨田区に本社を構えているのだから、墨田区役所関連のネタに詳しいのも納得。

—————————————————————————————–墨田区×台湾デザイン研究院×千葉大学が連携協定、デザイン通じた製品開発・人材交流を推進!「ものづくり」「国際文化観光都市すみだ』海外へのPR加速へ【スポーツ報知:2023年10月25日】https://hochi.news/articles/20231025-OHT1T51071.html?page=1

◆すみだの「ものづくり技術」と台湾の「デザイン技術」の融合

 東京・墨田区が「ものづくり産業」のさらなる発展を目指し、台湾の政府系デザイン振興機構「台湾デザイン研究院」(TDRI)と連携、千葉大学を含めた3者による協定締結式が25日、墨田区役所で行われた。この協定は、すみだの「ものづくり技術」と台湾の優れた「デザイン技術」の融合で製品開発、人材交流につなげることが目的。墨田区の「大学のあるまちづくり」政策のもと、2021年4月に墨田サテライトキャンパスを開設した千葉大学も含めた3者での連携となる。

 墨田区はこれまでも、千葉大学が有する文化デザインや視覚伝達デザインなどの知見を活用した共同研究事業を実施。山本亨区長は「協定締結を契機に、TDRIと千葉大がデザイン交流を行うことで、すみだをフィールドとしてどんな製品開発につながるのか。すみだのものづくりのさらなる発展に向け、大変ワクワク期待している」とコメントした。

 TDRIとしても、墨田区には優秀なものづくり技術を持つ職人が多いことや、スカイツリーを中心とした観光地として台湾からも多くの人が墨田区を訪れることなどから連携のメリットを強調。張基義院長は「千葉大学も世界的に優れた学校で、デザイン学科からたくさんの優秀な人材を輩出している。墨田区と共同で行っている様々な研究がさらに進むことを期待している」と説明。千葉大学の渡邉誠理事も、体調不良のため出席できなかった中山俊憲学長のコメントを代読する形で「墨田区での教育研究活動や社会連携活動を一段上げるきっかけになる」と期待感を示した。

 今後の具体的な取り組みとして「台湾設計×日本精造」を基軸とした製品開発を区とTDRIが中心になって進め、販売促進に向けたデザインアプローチを千葉大学が担っていく。山本区長は最後に「『国際文化観光都市すみだ』の実現、すみだのものづくりを世界に発信していけるよう、様々な取り組みを加速させていきたい」と話した。

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