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不屈のリーダー李登輝が迷える日本の若者に送る「10の箴言」
【李登輝】迷える日本の若者に送る「十の箴言」
メルマガ「台湾の声」にて紹介された「サピオ」2010年1月27日号からの記事を引用
【箴言一】逆境は最高の修行の場
【箴言二】大器晩成を目指せ
【箴言三】安易にカードを切るな
【箴言四】金で解決できることはすべて小事
【箴言五】小さく群れるな
【箴言六】人事の要諦・奥さんを観察せよ
【箴言七】恩讐を越え、大事を成し遂げろ
【箴言八】敵を使える知恵と器量を持て
【箴言九】トラブルメーカーに成ることも必要
【箴言十】信仰心を持つことはリーダーの最重要条件

【箴言四】金で解決できることはすべて小事


 李登輝政権当時の国会議員のほとんどは中国で選出され、蒋介石と一緒に台湾に逃げて来た中国出身者だった。彼らは中国の各省を代表する建前だから、中国を奪還しない限り改選もできないということで、実質的には終身議員だった。

 当時の台湾では終身議員の退陣要求がかなり高まっていたが、終身議員が多数を占める国会で、自分たちを退場させる法案を通せるはずもない。そこで李登輝氏は強引に終身議員を引退させるのではなく、終身議員一人ひとりの自宅を訪ね、一人あたり五百万台湾ドルの退職金を提示して、引退するよう説得に乗り出した。当時大卒新人の月給は約一万台湾ドルだったから、数百名の終身議員に払う出費が如何に高額であるかが分かる。

 しかし、それは民主化のコストと割り切ることができたのが李登輝氏であった。無用な理屈や紛争をさけ、このぐらいの出費で台湾の民主化が一歩前進なら安い買い物だというのだ。